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【第一章改稿中】転生したヒロインと、人と魔の物語 ~召喚された勇者は前世の夫と息子でした~  作者: 田尾風香
第二章 旅の始まりと、初めての戦闘

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剣の種類と魔剣

その後、リィカとアレクの二人は、街中をぶらついた。


途中、冒険者用の店に寄って、アレクの旅用の服を購入。

元々着ていた服はパールの攻撃でお腹に穴が開き、その後は包帯代わりに切り裂いてしまっている。

今アレクが着ているのは、普通の平民用の服だ。



また、僻地の教会の神官、フロイドにも偶然にも再会した。

無事に目を覚まして元気になったアレクに、喜んでくれた。



宿に帰れば、バルたちも帰ってきていた。

ユーリの買った剣を見せてもらうと、アレクが少し驚いた。


「へぇ、結構いいのが買えたんだな」

「ああ。どこだかの冒険者が置いてった、って話だったな」

「じゃあ、リィカが買ったものと同じか」


一方、リィカは、ユーリの剣をマジマジと見る。

「……これ、なんていう剣?」

「ロングソードらしいですよ。僕もよく分かりませんけど」


リィカは首をかしげる。

「ロングソードって、アレクが持ってるのもそうじゃなかったっけ? こっちの方が短い気がする」


これには、アレクが苦笑した。

「そりゃあな。ロングソードと言ったって、全部が全部、まったく同じ長さ、同じ重さじゃないさ。ある程度幅はあって当たり前だろう。ショートソードだって、あの店で見たうちの一本、少し大きかっただろう?」


「……あ、確かにそうだったね」


ついでとばかりに、アレクが剣の説明を行う。

バルが持っているのは、ツーハンドソードという両手剣。大きな剣で、使うのには体力がいる剣だが、威力も強い。


暁斗の持つ聖剣グラムは、バスタードソードと呼ばれる、片手でも両手でも使える剣に分類される。ちなみに、泰基が持っている剣もこれに当たる。


ロングソードは、基本的には片手で使う剣だ。両手で持てないわけでもないが、アレクは片手持ちばかりだ。


「片手で持ったり両手で持ったり、とか考えると難しいんだよな。アキトもタイキさんも、よくやっているよな、と思う」

アレクが感心したように言うが、暁斗たちからしたら、それが普通だ。


「向こうにいたときは、基本的には両手持ちだけど、片手で使う事もあったし」

それに慣れているので、難しさなんかは特に感じない。

片手だけ、両手だけでやれ、と言われる方がたぶん難しい、と暁斗は話す。


「……そう考えると、聖剣って、召喚される勇者に合わせて作られた、という感じがするな」

アレクがつぶやく。

暁斗が少し複雑そうな顔をしたが、「そうかもね」と小さく同意した。



※ ※ ※



「ついでだから、もう一つ聞きたいんだけど。これ、魔石だよね? 剣技を使うのに必要だって言う……」


リィカが、自分の買った剣を見ながら、剣の根元辺りを指さしている。

そこには、赤っぽい色の小さな石がはめ込まれている。


「アレクとかバルの剣の魔石って、もっと大きいけど……。そもそも、聖剣に魔石あったっけ?」

「店売りの剣なら、そんなものさ」


アレクもバルも、持っている剣は、それぞれ父親が特注で作ってもらった剣だ。

剣の金属も、魔石も、使われているものは、かなり高価なものだ。



剣技を使う際には、まず剣に魔力を纏わせる必要がある。

しかし、自力で剣に魔力を纏わせる、なんて真似はこの世界の人たちはできない。


それを可能にしているのが、剣にはめ込まれている魔石だ。

この魔石が持ち主の意思と魔力に反応して、刀身に魔力を行き渡らせる役目を負っている。


聖剣に魔石がないのは、その刀身そのものが、魔石と同じ効果を持っているからだ。

魔石という媒介がない分、魔力を通しやすく、剣技の威力もアップする。


「ほとんど伝説上の話になるが、この世界のどこかには、魔剣と呼ばれる剣があるらしい。それが聖剣と同じく、刀身そのものに魔力を通すことができるそうだ」


たくさんの鍛冶士が、魔剣を制作しようと試みては、失敗しているらしい。

聖剣という呼ばれ方をしているが、実際には魔剣に分類されるんじゃないか、とアレクは語った。



※ ※ ※



「いつこの街を出発するかだが」

アレクが話を切り出した。

「俺の体力も戻っている。明日一日準備に当てて、明後日の出発でどうだ? リィカとユーリの剣の練習は、悪いけど、移動しながらにして欲しい」


二人は頷いた。

元々、そのつもりだ。

いつまでも、このレソントの街にいるわけにはいかない。


モントルビアの王宮に行って、魔族の件を伝える必要がある。



次の日、街を出ようとしているフロイドを見つけて、そろそろ出立することを伝えて、挨拶を済ませる。

そして、準備を済ませた一行は、再び旅に出た。


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― 新着の感想 ―
[良い点] リィカが良いですね。ヒロインであり、日本人の記憶もあるのに、いざとなれば殺人も躊躇わない。それはこの世界で生まれ育ち、前世にとらわれることなく、この世界で生きているからだと思います。他のキ…
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