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外出①

 メルが土井垣家に来てから最初の金曜日。その勤務時間が終わると、使用人たちは少し浮わついた雰囲気を醸し出していた。

 何故なら週に一度の休暇の日だからだ。土井垣家では毎週金曜日は当直以外の使用人は休暇の日としているため、まだ若い鈴木と田中は特に受かれていた。


「明日は三人で出掛けましょうか」


 浮かれ気分で湯船に浸かる田中は鈴木とメルに対してお誘いを入れた。この場には大洗もいたのだが、彼女は明日の当直なので必然的に数には入っていない。


「ボクでよろしければ」

「だったら明日はいろいろ案内してあげるよ」

「ありがとうございます」


 笑顔を保ちつつの入浴が終わり、各々は自分の部屋に向かった。メルはその前に食堂で冷や水を飲んで気を落ち着かせた。

 そろそろ慣れてきたとは言え女性との入浴はいつも緊張してしまう。もし彼女が相手だったら、きっと自分は我慢できないだろう。

 明日は休みということもあり悶々としてしまったメルは、少し自分を慰めてから床に入った。

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