表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/34

第6話

貴賓室では、ゆっくりと待つ羽目になった。

貴賓室では、外の飛行機を眺めるために、10メートルくらいある柱の間が一枚のガラスになっていた。

「確かに、贅を凝らして作られたようだな」

中家がボソッという。

誰が作らせたにせよ、もっと別に使うべきところがあるだろう。

そう言いたげだ。

どこかへ電話をかけていたフエルサは、それがどこかは言わなかった。

ただ部屋の中で、中家らを見張りつつ、大臣へと、おそらく電話をかけているのだろう。

時たま、大臣と名前を言わずに電話口で話しているのが聞こえた。

その声は、壁掛けの巨大なテレビによって時折遮られつつ、それでも断続的に中家には聞こえていた。

「皆さま、お待たせしました。小型機の準備が整いましたのでご案内します」

空港職員は、警備員のような制服だった。

ただ軍人らしく、胸には何かのメダルや勲章がつけられている。

「やっとか」

マキシム中尉は壁際で壁を背にして腕組みしたまま、眠るかのように目をつむっていた。

それが急に起きだして、ゆるゆると空港職員のところへと歩いていく。

「2機に分乗することになった。まずは組み分けをしたい」

マキシムを呼び止めるのは、今回の部隊長である中家だ。

「私が第一大隊、君が第二大隊のそれぞれ隊長とする。我々は5人だが、君らは10人だったな。君らから2人分けてもらいたい。それで第一大隊が7人、第二大隊が8人となるだろ。装置の類については君らのところで、他の荷物については我々でどうだろうか」

「多少の私物はこちらで。それに機中で必要なものも」

「いいぞ。それらは前提だ」

マキシムに中家がうなづいた。

「荷物は入れましたか」

二人そろって歩き出すと、さっそく空港職員に質問をした。

「いいえ。もうまもなく荷物の積み込みを開始します」

「見張りを何人か立てていたな。機内の確認もしていたはずだが」

今、貴賓室の中にはテック・カバナー総合軍事会社側が6名、手野武装警備側が3名だった。

北島、東部が機内確認を、テック・カバナー側と協同して行っている手はずだ。

「問題はないという報告を受けています」

マキシムがそう答えた。

「では職員さん、荷物の詰め込みが終わったら、また教えていただけますか」

「分かりました」

それでは、と敬礼して職員は出ていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ