第2話
翌朝、さっそく部屋で作戦会議といきたかったが、盗聴の可能性があるということで中家が外へと4人を連れだした。
近くにある公園を歩きつつ、中家が話し始めた。
「大臣からいただいた家の見取り図がある。それによれば、24時間265日見張りがいなくなることはない。また、7角形の壁によって周囲から隔絶された環境となっており、角には円形の塔があり、そこが見張りの常駐場所になっているそうだ。中はジャングルの中とは思えないほど整備されており、ゴルフコース、プール、畑に井戸、さらに移動用の小型車両に1500m級の滑走路1本があるそうだ。地下は岩盤で掘り進めるためには時間がかかる。どうする」
近くでは子供らがはしゃいで遊びまわっている。
歩いているところは遊歩道になっているようで、あちこちでカップルが歩いていたり、観光客がいたりする。
芝生が生えているところを通ろうとしつつ、それをスケートボードで遮られた。
「武器は無制限。とすれば集中砲火で一か所穴をあけ、なだれ込むことは」
北島が中家にいう。
「いや、そうなるとどこかに逃げられる可能性がある。頭目を捕らえることが第一、殺害が第二、組織崩壊が第三目標となることを忘れるな。逃げられてしまえば第一目標を達成することができなくなる」
「では、誰かを送り込み、内側から崩壊させるということは」
西板が言うが、それも中家に却下された。
「それもよろしくない。スパイは必ず発覚するとある。それならば、送り込んだところで精神死が訪れるだけだ」
「地下構造と地上構造、その詳細図が分かれば侵入するコースも把握できるのでは。また、彼の習慣に漬け込むということもできるかと思います。そのあたりを狙うことで近づけられるのでは」
南旗が言う。
それが一番よさそうだと中家が意見を容れた。
「詳細を詰めましょう。大臣と話がしたいところですね」
東部が言う。
そこで中家は案内人であるフエルサと連絡を取り、必要な情報を集めることができるかを確認した。
フエルサは二つ返事でクレジェンテに伝えると言った。