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殲滅指令  作者: 尚文産商堂


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第19話

「これぐらいですかね」

木枠を作る部下に、中家はまず合わせてみるように指示を出した。

木枠は、穴をぐるりと取り囲むような大きさで、六角形となっていた。その頂点に柱が上向きに内側に傾いて出て、さらに穴の直径よりも少し小さめの木枠ができている。

ちょうど穴のところから1mくらい上に小さな木枠が来るようになっていた。

そこから鏡を下ろすための紐をいくつもひっかけている。

これらの紐も、建物の中にあったものを拝借しているものだった。

「よし、まず1つ目を垂らしてみろ」

中家が支持を伝えるとすぐに部下の一人が紐で固定されている鏡を下ろす。

一番大きな全身鏡だ。

「レーザー、反射してます」

鏡の枠部分が少し融けたものの、しっかりとぶら下げることができた。

回転を抑えるため、できるだけ穴の壁際に寄せてぶら下げることとしている。

回転しようにも、円形の壁にぶつかって、ブレない仕組みだ。

「よし、2つ目を」

再び中家が指示を出すと、ゆっくりと2つ目をレーザーのところへ通す。

今度も成功だ。

「できるようですね」

「できなければ困る、ここまでしているのだからな」

木枠が壊れるという心配も、今のところはなさそうだ。

少しもきしんでおらず、しっかりと木枠の構造を維持している。

「よし、では計画通りにしろ。順次ゆっくりと降ろしていくんだ。見える範囲でレーザーが全てふさげるようにな」

「了解です」

と担当の部下が返事をしたが、もともと数か所しかなく、中家の関心は次の問題へとすぐに移る必要があった。

「では、作業班以外は集合を」

メンバーが集まると、中家はすぐに質問をする。

「2m地点からは酸素が薄いか、あるいはない状態だと推定されている。また、5m以下はいまだに切りのようなもやのようなものでおおわれており、見通すことができない。マーシャルで調査するとしても、垂直方向は苦手だ、さらに地面から5mも離れていたら、超音波検査は難しくなる。どうする」

「やはり穴を掘っていくしかないのではないでしょうか」

「並行して掘り進めたとしても、今の木枠を壊しかねない、却下」

「では団扇か何かで仰いで空気を入れ替えるのはどうでしょうか」

「コンプレッサーか、その程度ならどこかにありそうだな。作るのもありか」

「コンプレッサーもですが、単純に酸素を作って送り込むような装置を作ればいいと考えます。水はそこにありますし、電気は車がいくらでもあるので、バッテリーを外してすることができると考えます」

「エンジンを加工してコンプレッサーに、さらにバッテリーから電気をとって酸素を作るということか。できるか、今すぐに」

横にいた北島に聞くと、コクとうなづいた。

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