第17話
「ここなんてどうだろう」
マキシムは、まずはということで、マーシャルが探していなかった範囲の建物の周りを調べていた。
「いいえ、ありませんね」
部下とともに、即席で作った地下探査用の装置で、地下構造を調べている。
即席だけあって、簡単なハンマーのようなものと、収音用のメガホンを、口を地面において調べているだけだ。
地面の振動は、おおよそ計算で割り出すことができる。
それとは異なるものを感じた時点で、地下構造が異なると判断し、そこを掘り返すという作戦だ。
「では、ここは」
マキシムが次に向かうと、そこで今までとは違う音がした。
「何かあります」
「よし、掘り返せ」
マキシムが部下に命ずると、すぐに兵員が集まり、スコップや近くにあった車で作った簡単なショベルカーで穴を掘りだしていく。
硬い岩盤ではあったが、車の力を借りているおかげで、どうにか掘り進めることができている。
「何かあります」
部下の一人がスコップの先にある全く異質な物質を見つけて叫んだ。
「何だ」
マキシムが掘り進めている新しい穴から、それを見つけると、ようやく何かわかった。
「トンネルだな」
それも鉄板のような金属で通路が覆われているようだ。
これこそ探し求めていたものだ。
マキシムは、すぐに中家へと連絡を入れた。