第12話
突入を指揮するマキシムは、アメリカ海兵隊で士官をしていた。
士官といっても少尉で、テック・カバナー総合軍事会社に入社してから中尉に昇格していた。
海兵隊よりも高額な給料を提示されたテック・カバナー総合軍事会社に移ったところ、今回の作戦が舞い込んできたため、特別手当目当てで参加したということのようだ。
「侵入する」
イヤカムで中家に連絡を入れると、穴から先を手鏡で覗く。
敵は見当たらない。
念のため、ということで閃光手りゅう弾を壁の向こう側へと放り込む。
方向が一定になっているため、こちら側には光が制限されて視界に入り込んでくる。
当然、目隠しをしたうえでの閃光だから、行動に問題はない。
反対側は爆轟とともに光が襲ってくることになり、不意を突くことができつつ、さらに攻撃を加えることができる。
本来は非殺傷兵器であるが、こうして攻撃力を持たせることも可能だ。
「突入っ」
ここはイヤカムではなく、単に叫んだ。
銃片手に、部下を次々と穴の向こうへと入れつつ、短機関銃で弾をまき散らす。
面での制圧をはかっており、立っていた敵兵や閃光で目がくらんでいる人物は次々と倒されていく。
「中家隊長、マキシムです。橋頭保確保完了」
「了解、確保を継続。集合後深部へ浸透せよ」
「了解です」
イヤカムを切り、周囲の警戒を続けさせる。
上からの爆撃機隊はすでにいなくなっており、ジャングルの奥から銃を構えつつ中家らが入ってくる。
ちょうどマーシャルが彼らを守りつつ進んでくる。
壁の上からの兵はマーシャルが次々と撃ち落としていく。
穴はマーシャルがさらに大きく開け、ついにはU字のように開いた。
「よし、構造は確認されていない。上部構造物をまず徹底的に捜索し、それから地下へ入る」
中家が穴となっていた場所をまたぎつつ、マキシムに言った。
「了解です、おい、いくぞ」
声をかけたのは突入班だ。
中家がその後ろを見ながら、穴の確保を続けるように、別部隊に命じた。




