第11話
「……来たな」
遠くから甲高い音が聞こえる。
それは爆撃機の音だった。
超音速の爆撃機で、精密空爆を行うことができるとされている。
「敵に動きです。敵機撃墜の方向へ、上空の爆撃機編隊に向けて対空砲を放っています。どうしますか」
遠くからでも見えるように、衛星通信用の装置一式を稼働させている。
これによって、必要なデータはリアルタイムで獲得することができるようになっていた。
「そうだな、そろそろ動かし始めるか」
中家がいうと、すぐにマキシムがやってくる。
「行きますか」
「ああ、計画通りにな」
ジャングルの木々の隙間から、壁だけが見える。
その壁めがけて、数発の爆発が。
それから少しして土煙が消えるころには、大きな穴が開いていた。
「よし、進ませろ」
中家が確認してから、すぐにマキシムを突入隊長とする部隊が進みだす。
すぐに反撃があったが、それも手りゅう弾をどんどんと放り込んでいくと、数回の爆撃音とともに沈黙していった。
「上から攻撃の可能性です」
「狙撃、開始せよ」
穴を死守するため、集まってきて壁の上から攻撃するための部隊が集まってくる。
それを一人ずつ確実に仕留めていく。
「よし、警戒組はそのまま待機。かつ厳に見張れ。何かあればすぐに知らせろ。突入班は、内部警戒してから進め」
「了解」
すでに声は直接聞こえない距離だ。
そのため、イヤカムを使い通話している。
邪魔されないように、あらゆる周波数で対応できるように設定されていた。