ゴースト イン ザ ハウス
みんなが青白い顔をしてこちらを見ている。
ヨシダくんそんな表情できるんだ。
おそらくみんなも見ていたのだろう。
人がいるはずないのに閉まる扉を。
ガチャ
今度は扉が開いた。
こちらから見て奥に木製の扉が引かれる。
ギイー ー
扉が開ききって今度は2人の人物が入ってきた。
カズくんとエリカだ。
「カズくん、、、玄関からこの扉に来るまでに誰もいなかったよね」
私が尋ねるとあまりの真剣さにカズくんが数歩うしろに後ずさり、答えた。
「誰もいなかったぞ。少なくとも俺は見ていない」
「エリカも?」
カズくんの返事を聞くとすぐに私は尋ねた。
「うん、見てないよ。それより、みんなどうしたの?何かあった?」
怪訝な表情でエリカが問う。
私は今起こった出来事を全て話した。
ヨシダくんは縮こまりながら首を縦に振っている。
アレ?番長の家って実は幽霊屋敷だったの?
こんな怖い場所で昨日練習していたの?
幽霊の正体は死んだ王子と意地悪な姉達だろうか。
もし化けて出るとしたら意地悪な姉達だろう。
頭がゴチャゴチャしてきた。
みんなが静まり返っている。
時計のチクタクという音が妙に大きく聞こえる。
すると番長が驚くべき一言を発した。
「実は私はこの事件の犯人を知っている」
……………
番長が言うには、犯人は危険なものではないらしい。
というか君達も知っているはずだと言い始めた。
そして番長は提案した。
「君達で犯人を見つけてごらん」
番長はクールに微笑んでいた。
犯人探し、これが私たちの次のゲームだ。
「番長、2階に上がってもいいか?実はこれ番長が仕掛けたマジックなんじゃないかと俺は疑っているんだけど」
カズくんが番長に尋ねた。
「構わないよ、確かに犯人はそこにもあるかもしれないが見てもわからないはずだ」
私たち一行はリビングの扉を開け、左に曲がって玄関の方へ廊下を直進した。
壁に突き当たり右を見ると玄関、左を見ると二階に上がる階段があった。
もし玄関とリビングの間に誰かいたとしたら仰角60度ほどでの高さ4メートルのジャンプで階段に飛びうつらない限り玄関にいた2人から逃れるすべはない。
っていうかそんな離れ業をしてもきっと見つかっていただろう。
私たちは階段を上がり、2階の全ての部屋をチェックした。
二階には寝室が2つと洗濯室が1つあり特に怪しいものはない。
番長のものとおぼしき寝室には勉強机があり、その上においてある芳香剤が大人の香りを漂わせていた。
番長のベットはふかふかそうだった。
「怪しいところは特に無いわね」
「さすが番長、いい布団を使っているわ」
アナスタシアとレベッカが言った。
確かに怪しいところはない。
タン、タン、タン、タン
階段を誰かが上がって来る音がした。
扉を開け、番長が入ってきた。
「見てもわからないと言っだろう」
番長が言った。
「どうだい?ギブアップするかい」
番長が尋ねるとヨシダくんが呟いた。
「番長ってお風呂入らないの?」
みんながポカンと口を開けてヨシダくんを見た。
ヨシダくんはみんなに見つめられて口をパクパクさせてから顔を手で覆った。
でも確かに風呂は確認していない。それにトイレもだ。
「フジワラさん、風呂とトイレはどこ?」
私が尋ねると番長はみんなを率いて一階の廊下にやってきた。
「ここがトイレであっちが風呂場の扉だよ。しかし、前もって言っておくがここに人が隠れた可能性はない。ここに呼んだのは君達だけで両親は仕事中だ。防犯設備も作動していないから外部からの侵入者もいない」
番長が説明した。
確かに廊下の壁にはドアノブがポツリ、ポツリとついていた。




