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8話

次の日の朝、俺は目覚めると昨日のことを思い出す。


「魔力操作をできなけりゃ、魔法は使えないのか…なら、まずは魔力操作をマスターしてから魔道書を買いに行こう」


と、ここまで考えたところで俺はあることに気がつく。

俺はその肝心な魔力操作の方法を聞いていないのだ。


「…父さんに聞きに行くとするか」


俺は部屋を出てまずは父と母の寝室に行くもすでに2人とも起きた後なのか、誰もいない。

次に達の部屋に行くも空振り。仕方なくリビングルームに向かうと母さんが朝ごはんを作って待ってくれていた。


「おはよう。カイル、朝ごはんはもうできているわよー」


「ありがとう、お母さん。聞きたいんだけど、お父さんって今日はもう仕事に行ってしまったの?」


俺の疑問に母さんはなんともなく答える。


「カイル、今日は月納めの日よ?カイルお父さんは今頃お店でお友達と朝から飲んでるわよ」


俺はその日の存在をすっかり忘れていた。

この世界は1年が360日で1ヶ月が全て30日で揃っている。そして、その1ヶ月の中に現代のような1週間という数え方や曜日の概念はなく、何月の何日目という数え方をする。そして、毎月の30日を月納めの日と呼び、多くの人々がその日は仕事をせずにゆっくりと休む日としている。

一部例外的に側に勤めていたり、ギルドの職員であったり、多くの人に対して無くてはならない職についているものだけは働かなくてはならない人もいる。そこもしっかりとその前後に交代制で休みをとってはいる。


「そうだったね!ありがとうお母さん!」


俺は急いで朝ごはんを食べると、家に直結してあるコンウェル商会の本店である店舗に向かう。

父親は昔の仲間たちと月に1度こうして集まって朝から酒を飲み交わしているのだ。


「ガッハッハー!久しぶりに朝から飲む酒は美味いぜ!」


そこからは大きな男の人の声が漏れてくる。

俺はその笑い声のするお店の扉を開ける。


「おや?カイルじゃないか、こんな朝早くからどうしたんだい?」


俺に気がついたお父さんが声をかけてくれる。


「カイルか!また少し大きくなったね!」


先ほどまで聞こえていた声とは違う声の男性が俺を見て声をかけてくる。

彼は、この王都で孤児院をやっているガイツさん、青い髪に黒い目をしたおじさんで相当なイケメンでもある。おじ様ファンの女の子はイチコロじゃないだろうか?

そして、横で静かにチビチビと酒を飲んでいるのがこれまた王都で女性ながら王国軍の第1師団の団長を任されているソフィアさん。父と同い年という話だが、年齢を感じさせないその容姿とグラマラスなボディーは反則級である。

そして、父親ともう1人フルフェイスのマスクをかけたガタイの良さそうな男性の4人でテーブルを囲み朝から酒を飲んでいた。


「えぇ、お父さんに聞きたいことがありまして、そういえば、そちらのマスクのお方は?」


フルフェイスのマスクの男は俺の知らない人だった。

こんな目だつ格好をしている人は今までこの集会に顔を出していなかったはずだ。


「あぁ、そうかレインが最後に来たのはもう2年半も前になるからカイルはレインのことを知らないか。彼はレイン私の古い仲間だよ」


そう言ってレインを紹介する。

2年半前、と言えばまだまだ俺は文字を覚えることに躍起になっていた時期でこの人がその1回以降ここに来ていなかったために忘れてしまっていた。


「カイル!元気にしとるか!」


大きな声で話しながら、レインさんは酒を次々に飲み干して行く。

見ているこっちが心配になる勢いで。


「で、聞きたいことってなんだったんだい?」


父親にそう聞かれて俺はここに来た本題を思い出す。


「お父さん、魔力操作の方法を教えていただけませんか?」













「いいかい?魔力操作は体の中に取り込んだ魔素を体に循環させること言うんだ。だから、まずは体に取り込んだ魔素を意識することから始めようか」


俺は父親ではなく、ガイツに指導を受けていた。

なんでもガイツは聖魔法を扱うことができその腕は王都一と言われているのだ。


俺は言われた通り、魔素を意識することから始める。呼吸をして吸い込むあたりからして溜まっているのは肺か?俺はまずは肺のあたりを意識してみる。しかし、何も感じない。

次に心臓を意識する。心臓には沢山の酸素が送られているから取り込んだ空気には関係が深いからだ。すると、胸のあたりがわずかにあったかくなって行く。


「すごいね、場所も聞かずに1人でに魔素を感じ取ることができるなんて…ファーガス、この子は天才だよ」


いやいや、持ち上げすぎじゃないか?

俺はそう思いあたりを見回すと、マスクで表情の見えないレインさん以外全員が驚いた顔をしていた。

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