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4話


「こらー、わたくしのはなしをむしするなーー!」


俺は馬車に揺られながら見慣れた街の景色をぼーっと眺めていると横のうるさい王女様に叱らた。

なぜ俺が馬車に乗っているか、と言うとあの後、王女様のお礼がしたいから城に連れて行くとの鶴の一声で俺は半強制的に王都の中心にあるイスト城へと連行されている途中であった。


「わたくしのお父さまは王様だぞ、とってもえらいひとなんだぞ!!」


「はい、申し訳ありません王女様」


そんな事は言われなくてもわかってるよ、と俺は内心で思いながらも王女様の言葉を受け入れる。

王女様と言っても俺と同じくらいの歳なのだ。

まだまだ子供なのだからしょうがない。俺はそんなことを思いながら王女様の相手をしながら馬車でイスト城へと入城した。


「これは…すごいな」

イスト城は、規模としては他国の城と比較しては小さいもの戦争時の要塞としての機能を残したデザインながらも洗練された建築構造と外壁の白塗りで統一された外観から白亜の城と呼ばれる名城であり、この国の観光名所として一定数以上の観光者を呼び寄せるほどのものであり、俺も何度か外から見た事はあったが、中から見たその城の中も美しいものだった。


床は石造りの床であったが丁寧に磨かれたそれは俺の顔がはっきりと映るほど綺麗だ。

壁には名画と呼ばれる作品がいくつもかけられてあり華やかさを演出し、いたるところに飾ってある花瓶には綺麗な花が活けられていた。


「どう?これがイスト城よ!すごいでしょう?」


王女様が小さな体で懸命に胸を張って、エッヘンと偉そうに自慢する。


「はい、これは素晴らしいですね」


この返事は俺の素直な感想でもあった。

これほどまでの建築物は現代でもなかなか見られないものだろうからだ。


「ここ!ここにはいるのー」


俺は王女様の案内で王女様の自室に通された。

途中何人かのメイドさんや執事の方とすれ違ったが小さな子供が2人並んで歩く姿に一度足を止めるも


「きゃー!かわいいー!」


などと口にして俺たちのことを見るだけで、俺がここにいる事は特に問題なかったようだ。



ガチャリ


と、音がして王女様の部屋が開けられる。

部屋の中は大きな天蓋付きのベッドが1つにぬいぐるみや衣装棚など小さなお子様にはもったいないような高級な品で溢れていたが、それも王族、ましてや王女という身分にあれば相応しいものなのかもしれない。


「そこにすわってー」


王女が指差したこれまた高級そうなふかるかなソファーに腰を下ろそうとした時だった。


「エリーゼ!!怪我をしたというのは本当かっ!?無事なのか!?」


バタンとドアを力強く開ける音同時に銀髪に青目の豪奢な服を着たなんだか偉そうな身体つきの良い男性が駆け込んでくる。

目の前の王女様の外見も銀髪に青目で、先ほどの男とは顔立ちが少し違うところもあれどところどころに面影を感じるところもある。

ということは、あれだな。

この人が王様だな。


「はい、お父さまひざをすりむいてしまいましたがもうなりました!

この男の子が薬をくれたんだよ!」


「む?貴様どこの坊主だ名を名乗れ!」


エリーゼ王女に指を刺されてようやく俺という存在を認知した王様が俺に詰め寄る。

その目は娘を悪党から守ろうとするパパさんの目をしていた。

この人は絶対に親バカだ。

俺はそう思いながらもソファーから素早く離れるととりあえず土下座しながら名を名乗る。

へりくだった時の姿勢なんてものを俺は土下座以外に知らないからだ。


「ハッ!私目の名前はカイル・コンウェルにございます。

恐れ多くも陛下のお膝元であらせる王都イストにて商会を経営させていただいているコンウェル商会が会長ファーガス・コンウェルの嫡男にございます!」


一国の王様が小規模な商会の会長の名前など知っているわけもないだろうに俺は一息にそう自己紹介する。

自分がどんな身分なのか提示して王様に卑賤の子などの卑しい身分のものではないと言うことを理解してもらうためだった。


「何!?お前ファーガスの息子なのか!?そうか!もうこんなに大きくなったのかっ!」


自己紹介をした俺に帰ってきたのは、予想だにしなかった王様の上機嫌な返事であった。

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