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2話

どうぞよろしくお願いします。

俺は文化レベルが中世ヨローロッパだが、魔法なんていうファンタジーな要素がある世界に転生した。俺があの女神様?に願ったのは『お金持ちの家に生まれること』。生まれてすぐに貧乏で野垂れ死ぬなんてシャレにならないからだ。そしたら、あの女神様は俺を小さな商会を営む夫婦の元に生まれさせてくれた。

1つ不安だったのは、俺の記憶が受け継がれるかってことだったけどそこはちゃんと受け継がれてたみたいだ。

それと、お金持ちと言う事の尺度を決めていなかったからどんなお金持ちかって言うことを願わなかったからだろうけど、最低限この世界で裕福な暮らしをしていけるところに生まれたことは確かだが思っていたよりは普通の暮らしぶりだった。

この世界に生まれてもう3年が経つが流石金持ち、俺の家ヤベーなんて思うことはない。

毎日の食卓にパンと野菜スープそれに肉か魚が三食ちゃんと出る。家以外の食卓を見たことがないから分からないが驚くほど豪華とも言えないだろう。


「カイルご飯の時間よー!」


早速今日も朝ごはんの時間がやってきた。俺はこの世界ではカイルという名を両親からもらった。

両親は母がアンナ・コンウェル、父がファーガス・コンウェルという名で俺がカイル・コンウェル。コンウェル家の一人息子にしてコンウェル商会の跡取り息子ってわけだ。


「カイル、今日も森に入るの?危ないことはやめてね?」


母親であるアンナが俺が食卓に着くと心配そうに俺に声をかけてくる。


「大丈夫だよ母さん、安心してくれていいよ。

ちょっと薬草を取ってくるだけだから」


心配してもらうのはありがたいけど俺はこの世界に来てから前世の記憶を受け継いでいることもあってこの歳にして読み書きや、計算、それに加えて礼儀をわきまえた対応なんかをしているもんだから近所では神童だなんて言われている。

そんな俺が森に行くことに関して近所のみんなはチヤホヤもてはやしてくれるが親はやっぱり心配なのだろう。

ちなみに森っていうのは俺たちが暮らしてるウェルティア王国の王都イストを囲むようにして広がっている森のことで街道をそれたところにはゴブリンなんてモンスターも出て来る。

当然モンスターは人を見ると襲って来るから命がけのやりとりになる。3歳児の俺が出来ることなんてのは限られてるからモンスターに出会わないようにしつつ俺はいつも森に出て薬草を拾い集める。

拾い集めた薬草の束を冒険者ギルドに持って行くのがここのところの俺の日課だった。

ギルドに持っていけば薬草は1束2Gで買い取ってもらえ、俺はせっせと毎日ある目標のためにお小遣い稼ぎをしているのだ。


「じゃあ、言って来るね!」


俺は朝食で出されたいつものメニューを平らげると小さな子供の俺でも背負えるお父親であるファーガスお手製の背負子を背負って今日もこうして小遣いを稼ぎに森を目指して家を出た。

目的の森に行くまでは今の俺の足で歩いて1時間ほどかかる。小さな子供の成長というものは素晴らしいもので始めて1人で森に行くようになったのが3歳の誕生日の次の日で、ちょうど2ヶ月前の事だがその時は1時間半以上かけて歩いていたのがかなり短縮されたのだ。

おそらく元いた世界の普通の成長以上の筋力的な成長をしているのだと俺は予想している。飛び道具に頼った戦いではなく肉弾戦を主に行うような世界なのだ、ステータスといった概念が無いので確かめようが無いが今の俺は元の世界の3歳児を凌駕する身体能力を持っていると自負している。


俺は背負子から一冊の本を取り出して読みながら歩みを進める。気分は二宮尊徳さんの気分だ。

読んでいる本は父親の書斎に置いてあった『モンスター大全』と言う、この世界のモンスターについての特徴と生息域などが書いてある本だ。

ゴブリンやローンウルフなどと言った低級モンスターからドラゴンやフェニックスと言った上級から神級と呼ばれるモンスターまでの特徴が事細かに記されている。流石に神級については伝承の域でしか書かれてい無いが俺の好奇心を満たすには十分でなおかつ、歩き慣れたひまな道中に読むにはもってこいの文量だ。



「へぇ、トロールには亜種や希少種なんてものまであるのか…っと、門に着いたか」


王都イストに出入りするための門であり、王国軍がその入場を取り締まるのだ。

国民である俺は無料で通ることができるがそうでなければ滞在期間に応じた税を納めなければならない。

まぁ、俺には関係のないことだ。


俺は本を読みながら平気でその門をくぐる。

この2ヶ月で見張りの兵士も慣れてしまっておりチェックもろくにされないのだ。

ここまでくれば目標地点まであと3分の1ほどだ、俺は森を目指してひたすら歩みを進めた。


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