1話
更新ゆっくりでも今回は完結させることに集中して描きたいと思います。
拙い文章ですがよろしくお願いします。
「誠に残念ながら貴方はお亡くなりになられました」
俺の耳に突然そんな声が聞こえる。辺りを見回すと真っ白な空間が広がっていて、俺以外に誰の存在も見つけられなかった。
「ここは貴方達の言うあの世とは少し違いますがおおよそそのようなものだと思ってください」
また先ほどの声が聞こえる。優しく包み込むような女性の声。先ほどからの話を聞く限りでは俺はどうやら死んで、あの世のようなところに来てしまったのだろう。
何故死んでしまったのだろうか?
俺は自分の記憶を整理する。俺の記憶の中で最も新しい記憶は大学のサークルの連中と海に出かけて、そこで溺れている人を見つけてみんなで救助するために海に飛び込んでなんとかその人のところにたどり着いた。そこで俺の記憶は途切れている。
「はい、ご想像の通り貴方はあの海で人助けをしてお亡くなりになられました。なお、貴方が助けようとしたお方は貴方のご学友の方の救助で助かりました。」
そうか、それは良かった。
俺が思ったのは単純にあの子が助かった事に対する安心だった。自分が死んでしまったこの状況で呑気な事を思っているようにも思えるが、あまり自分の人生に活路というか、希望を見出させずただ適当に生きてきた俺の人生を振り返ってみても特に未練らしいこともなく俺は満足しているわけではないが、ここで死んでも別に良かったと思っている。
「貴方が何故そのような考えをしているのかは分かりませんが、貴方にはこれから別の世界に行ってそこでもう一度人生をやり直していただきたいのです」
ほう。いわゆる異世界転生ってやつか、別に生きることに未練はないけど出来るっていうんならやって見たい気持ちはある。なんせ、そう行った世界では現世では使えなかったような魔法なんかが使えたら冒険やなんだとロマン溢れる生活が出来るのがお決まりだからな。
「承諾していただけるようですね。安心しました。ひょっとしたら断られるかと思って内心ヒヤヒヤしていたのですよ?」
まぁ、断る理由もないからな、それに悪い話でもなさそうだし。
「そうですね、では貴方には私から1つ贈り物を授けましょう。なんでも1つだけ貴方がこれから行く世界に持ち込む願いを言ってください」
願い、ね。それは王族に生まれるとか、最強の体が欲しいとか、あとは最強の魔法が使えるとか?そんなことでも良いのか?
「えぇ、なんでも。1つだけ貴方の望んだことが叶うようにいたします」
じゃあ、俺は…