天下三分の計と劉備暗殺計画
さて孔明が劉備の下についたことで、彼の親族であり劉表に冷遇されていた龐統や尹黙・向朗・李言選などの司馬徽の塾の同輩、そして高名な馬良と言った面々も劉備のもとにやってきました。
「続々、智者が集まってきているのはいいことですね」
しかし張飛は面白くなさそうです。
「あんな青瓢箪共が偉そうな顔して玄徳のところに入り浸ってて
玄徳と何かずっと話ししているが、玄徳は俺たちに最近冷たい気がするぜ」
私は苦笑していいました。
「貴方や関羽と玄徳との仲を新しく来た人たちと比べても意味は無いですよ。
それに実際あの人達のお陰で劉備の評価も上がってるんでしょう」
「そこが納得いかねぇ。
戦ってもいないのになんというか卑怯じゃねえか?」
私は肩をすくめました。
「益徳には益徳の役目が、私には私に役目が
孔明たちには孔明たちの役割がありますからね。
私だって戦うようなことはできませんから」
張飛はあんまり納得はいっていないようでしたが一応頷きました。
「まあ、そうかもしれねえが……」
「それに今度劉備は蔡瑁の宴席に呼ばれることになったのでしょう?」
「ああ、孔明の野郎はそこで蔡瑁が元徳を暗殺するって言ってたからな
こういうときこそ俺達の腕のみせどころだぜ」
私はちょっと心配になっていいました。
「気をつけてくださいね。
劉備に近いものとして関羽や貴方が狙われる可能性もあるでしょうし」
「へっ、俺がそんなへますると思ってるのかよ」
「はい、特に酒が入るとダメダメですから」
「お、おう、酒には気をつけるぜ」
さて、やがて劉備や関羽・張飛・趙雲などの劉備軍の武将が呼ばれ、曹操軍が10万の軍で、此の荊州に攻め入ったらどうすべきかという問に彼等は答えられませんでした。
なにせ、現在劉備が動かせるのはせいぜい1万ですからね。
そこで孔明が提案したのがいわゆる天下三分の計と言うやつですね。
まずは萠良・萠越兄弟と蔡瑁を誅して曹操への降伏をさせないようにし、荊州と益州を基盤としててにいれ、孫権の呉との連合を行い、曹操の魏に対抗するというものです。
そして、蔡瑁による劉備の宴会の当日がやってきました。
「趙雲の野郎うまくやってくれよ」
ここ最近劉備やその家族の護衛は趙雲が行なっていました。
蔡瑁と蒯越は趙雲と劉備を分断し各所に兵を配置して劉備を討とうとしましたが、劉備はそれを逆に利用し関羽と張飛に兵を伏せさせ、抗戦派で蔡瑁の部下の伊籍が蔡瑁の兵の布陣を劉備に教え、劉備は兵のいない場所から逃走、そして、蔡瑁と蒯越が兵とともに追いかけてきたところを逆に打ち取りました。
あくまでも、襲われたので仕方なく反撃したとするあたりに孔明のいやらしさがありますが、結果として正当防衛ならしょうがないと言う雰囲気にはなりましたからね。