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建安6年(201年)移住先の新野にて・孔明ってこのあたりに住んでますよね

さて、袁紹が官渡で大きく討ち破られの形勢が不利と見るや、汝南から逃げ出すこととなった私達ですがなんとか無事に荊州までたどり着くことができました、まあ、曹操も逃げ出す私達、劉備一向にかまってるほどまだ余裕はなかったでしょう。


 荊州は劉表が190年に荊州刺史として董卓により任じられ、単身荊州に乗り込み、州都・新野の政庁を素通りして萠良・萠越の兄弟と、蔡瑁の居る宜城へ向かい彼等を配下として迎えると、襄陽を州都にし新刺史就任祝の宴席で、それまでの荊州の主だった豪族の首領達を一網打尽に誅殺して、荊州に侵攻してきた孫堅を討ち取って、その後10年の間侵攻を許さず外征もせずいたため、戦乱がずっと続いていた北方とは異なり平和な地域でありましたし、反乱などもほとんど起きませんでした。

少なくとも彼は慶州において理想的な地方長官であったのは間違いありません。


 そして、劉表は、同じ劉性ということで、劉表はみずから劉備を郊外まで出迎え劉備を厚く出迎えました、その軍兵を増やし、新野に駐屯させたのです。

かっては同盟していた張繍が曹操と対峙していましたが、南陽郡は、張繍と賈詡が降伏した事で大部分が曹操の手に落ちてしまいましたから、劉表は劉備を、彼の客分である南陽をより戻すために利用しようとしたのでもありましょうし、更に曹操がなんかしてきた場合に戦うための用心棒的な意味でも有ったのでしょう。

そして劉表は私達を歓待しました。


 そしてこの荊州は劉表が民間の名士・学者を厚遇していたため、戦火から逃げてきた学者がたくさんいましたが、私と同じような医者はそれほどいたわけではありませんでした。


「こちらなら医術を学んだものがたくさんいるかと思ったのですけどね」


 まあ、仕方ありません、この時代では医術は学問として厚遇されているわけではありませんからね。


 現状袁紹の軍は前年に官渡でまさかの大敗北し、それまでの勢いを失ったとは言えまだまだその勢力は大きく、曹操は袁紹との戦いに全力を注ぎ込まざるを得ませんでした。


「ところで益徳、劉備殿はなぜ曹操の領土に戦いを仕掛けないのでしょうね」


 袁紹のもとを去ったとは言え、袁紹が倒されれば曹操の次の目標はこの荊州だろうということぐらいお予測できないわけはないと思うのですが。


「まあ、そりゃ俺達は今劉表の客分だからな。

 勝手に戦いをしかける訳にはいかないだろ

 それに医者が戦いを望むようなことを言うのはどうかと思うぜ」


「それもそうですが……袁紹と曹操のどちらがどちらを倒し

 北を統一した後は、その後ここに攻め込んで

 くるのは間違いがないでしょうから」


 私の言葉に張飛は少し悩んだあと


「んー、その時のことはそのとき考えればいいんじゃないか?」


 まあそうするしかないのでしょうね。


「確かにそうしかないですね」


 それから私は張飛に


「あ、そういえば、ここには諸葛孔明という、司馬徽の門下生で

  頭脳の明晰な人がいるようですよ。

 一度劉備殿に話してみてください

 徐庶殿なら詳しいこともご存知でしょう」


「ほお、そんなやつがいるのか、一度兄貴に話してみるぜ」


 この新野に移ってからの生活は、かなり平和です。

戦いがないので矢や剣や鉾で傷を負うものはいませんから、私は日常的な病気や怪我などの診察や治療をしながら、望むものに私の医術の知識を教える余裕もできました。

この間、劉備は、新野で屯田を行い荒れた田畑を耕して、私のような医師に病人や怪我人を治療させ、内政に励み、山賊のたぐいは討伐して治安を強化したため、大勢人が集まり、その兵力はたちまち一万を数え、侮れぬ勢力へとなりました。


 そんな劉備に劉表は喜んでもいたのですが不安も感じていたようです。

なにせ劉備は裏切りの常習犯でもありますからね。

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