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第九十六話 行く手を阻むもの

 玲子と六花の二人が己のなすべきことをなすために、この場を去った後。玲子の神刀によって『死喰い羽』や『屍喰』を浄化された俺は、徐々にではあるが本来の力を取り戻しつつあった。


 とはいっても、自然治癒で力を完全に取り戻すには、それ相応の時間がかかる。


 そのために、本来ならここでゆっくりと体を休めて、体力の回復をはかるのが常套手段なのだろうが、道人の向かった餓鬼洞に、道人を追って単身向かった玲子のことが気にかかる。


 多分玲子一人ならば大鬼や餓鬼の群れ程度なら、たいして問題にはならないだろう。だが、玲子の向かった餓鬼洞には、道人が先に向かっている。


 前世の俺を殺したことから見ても、道人はあまりに危険だ。そんな男のいるところに、借りを返されただけとはいえ、命を助けてもらった恩人である玲子を、一人で行かせるわけにはいかない。


 それに、あの野郎にはでっかい借りがいくつもあるからな。人を手にかけるなという玲子の想いには反するが、俺は俺の手で、俺の仇を討つ。


 そう思った俺は、ゆっくりとだが、何とかその場に立ち上がると、念のために手足にきちんと力が入るか確認していった。


 まず右手だが、一応は手の開閉に支障はないが、全力で拳を握り締めるほどには、まだ力が回復していないようだった。


 同じく左手も、右手同様手の開閉に支障はないが、全力で拳を握り込むことはできなかった。


 続いて膝を曲げたり、両足を軽く動かしたりして、足の動きを確認すると、足を曲げたことによる痛みとかは特になかったのだが、やはり『屍喰』の弱体化の影響がまだかなり残っているのか、本来の状態よりも足全体の動きが鈍いようだった。



 俺は今の自分の状態を把握するために、自分自身に対して鑑定をかけることにした。


 名前 なし (前世の名前 阿倍野 晴人(はるひと))


 種族 火吹き(ひふきびと)人間道に落ち、特殊進化を果たした個体。


 状態 弱体化 (すべての能力値に30%から50%の-補正がかかる)


 レベル 38/85


 HP 132/252

 MP 83/202

 攻撃力 105-31=74

 防御力  58-17=41

 素早さ 6-2=4

 呪力  143-72=71


 耐性

 耐炎 +71-21=50

 耐水 -


 スキル


     集石   レベル2 (周囲の石を集めることができる。集められる石は、込めた呪力とMPに比例する)


     火線 レベル3(自分の体内に通っている炎と同じように、無機物に対してのみ、火の線を通して熱することができる。威力は込めた呪力とMPに比例する)


     炎熱拳 レベル2(力(呪力)を込めることで、拳や手の平に熱を加えて相手を攻撃できる。加える呪力やスキルレベルによっては、鉄をも溶かすことができるようになる。威力は込める呪力やMPに比例する)


     憎悪の炎 レベル1(復讐対象者に対して威力30%~45パーセントの+補正)


 特殊スキル 

二足歩行(人のように二足歩行できるようになる)

    

       蓄積(周囲の炎などをMPに変換できる)

 

 特性スキル 

       炎の壁 レベル2 (体の中の炎が燃え続ける限り、呪力に比例した炎の熱気が常に自分の周りを守り、敵対するものを容赦なく焼き尽くすが、姿かたちを変える変異系のスキルを使用している間は、このスキルは発動しない。火吹き人専用常時発動型スキル)


 称号 大量虐殺 (範囲攻撃15%+補正)

    冷酷   (止めの一撃時に、必殺攻撃15%+補正)

    狡猾

    うかつ 

    大物殺し

    憎む者

    復讐者 (復讐対象者と相対した場合すべての能力に5~15%ほどの+補正がかかる)


 装備 なし


  進化に必要なレベル47 レベルアップに必要な経験値842



 やっぱさっきの『屍喰』によるダメージがかなりでかいな。しかも弱体化のせいで、全体的にかなりステータスが下がってやがる。


 結局のところ『屍喰』を喰らう前の最盛期の俺の能力と比較して、今現在の俺の力は、よくて七割。悪くて五割ってところだろうか? 


 まぁいい。とりあえず動ければ問題ない。これであの野郎のいる場所に向かえる。


 そう思った俺は、一歩また一歩と決意を新たにして、餓鬼洞に向かって、足を前に出し始めた。


 その時だった。


 俺の行く手を遮るようにして、俺の前方七、八メートルほどのところに、高さ三メートル。直径二十メーターほどの巨大な炎の壁がそそりたったのは。

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