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第七十三話 神刀(しんとう)

 はっ? 何この人間にしては突飛しすぎてる神がかり的なステータス? 鑑定さん間違ってんじゃね? いくらなんでも人間にしては強すぎんだろ? 鑑定さんが鑑定ミスしたと思った俺は、再び鑑定を発動させて鑑定するが、結果は同じだった。


 う~ん。俺が火吹き人に進化してからどのぐらいレベルアップして、能力値が上がってるかにもよるが、結構厳しくね? というか運よく地獄から這い出して、さぁこれからだって時にこれはさすがにひどくね? 下手したら一発詰みじゃん。とまでは言わないが、一撃でもまともに喰らったらやばいってことだけはわかる。


 まぁ鑑定の結果あの女がやばい部類なのはよくわかった。


 だが、正直言うと、本当にやばいのはあの女の持ってる刀である式刀(しきとう)のほうだ。


 しかもただの式刀(しきとう)の部類じゃない。あれはたぶん妖怪や悪鬼の天敵ともいえるかなりの力を持った神刀(しんとう)の部類だ。


 だから俺の絶対防御壁とも言える『炎の壁』を切り裂いて、俺に直接攻撃を加えて、ダメージを与えることができたのだろう。


 ただ今回幸いなのは、その神刀(しんとう)を持っているのが、幾多の戦場を駆け抜け、ありとあらゆる経験を積んだ歴戦の(つわもの)ではなくて、『天賦の才』という称号をもっているとはいえ、戦闘経験の少ない十六,七の小娘という点だ。


 もし、神刀が様々な人生経験を積んだ歴戦の(つわもの)の手に渡り、今ここで俺が相対していたら、はっきり言って現時点での俺の勝ちの目はかなり薄かっただろう。


 かなりひいき目に見ても、七、三ぐらいで俺は負けていたはずだ。


 だが幸いなことに、この神刀の持ち主は、玲子という名の成人(ハタチ)にも達していない小娘だ。


 玲子が経験を積み切れていない今なら、まだ俺の方が勝率が高いはずだ。


 俺は鑑定結果や先の戦いから、玲子を決して油断のできない相手だとあらためて認識すると、俺の生存に対して致命的になりかねない玲子の一挙手一投足を決して見逃さないように集中しながら、神刀と天才の称号を持つ人の化け物である玲子を無力化する術を考え始めた。


 こういう場合は、相手の最大戦力(神刀)をいかに封じて勝つかを考えるべきなのだろうが、今回はあえて逆をやろうと思う。


 すなわち玲子に神刀を使わせる。


 いや少し違うか? 正確には玲子に神刀を使って大技を連発してもらう。

 

 これには明確な理由がある。さっき玲子を鑑定して分かったことだが、玲子の神刀を使った剣技(スキル)は、大技であればあるほどかなりのスタミナを消費し、またMPの消耗も激しいようなのだ。


 だからあえてここは玲子に剣技(スキル)を使わせて、疲弊させる手段を取ろうと思う。


 その後疲弊した玲子たちが、退却する道を選ぶか。それとも命を懸けて俺に挑み続けるかは不明だが、前者なら見逃せばいいし、後者なら殺さずに制圧して無力化することもかなり容易にできるはずだ。


 で、無力化した後は、餓鬼洞にいた比婆や志度たちのように、集石で閉じ込めてしまえばいい。


 作戦を練り上げた俺は、玲子たちの出方をうかがうことにした。


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