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第三十三話 獄炎鬼⑥ 再びボーナスステージへ

 俺が獄炎鬼の『獄炎火球』があけた穴に飛び込んだ先には、『獄炎火球』があけた穴から、まるでピラミッドのように折り重なる仲間たちを踏み台にして、必死になって上層へと這い上がろうとしているいくつもの大量の餓鬼たちの姿があった。


 もちろん俺は躊躇なく、大量の餓鬼たちが群がっている餓鬼ピラミッドに向かって、『炎の渦』を発動させる。


 俺が発動した『炎の渦』は、燃えやすい餓鬼の群れに引火して、天井に届くほどの炎の柱を形作る。


 本来ならここで餓鬼たちが燃え尽きるのを高みの見物しているところなのだが、俺は餓鬼たちに『炎の渦』で引火させると、すぐさま次の餓鬼山である餓鬼ピラミッドへと駆け出して、今度は『火炎放射』をお見舞いすると、餓鬼ピラミッドは先ほど『炎の渦』を発動させた餓鬼の群れ同様に、餓鬼たちに引火して燃え上がった。


 それからも俺は、餓鬼ピラミッドに炎の渦や『火炎放射』を使って、燃え上がらせながら、単独で階層を徘徊している餓鬼に対しては、自分の体をつかった燃え移りを使って、引火させて焼き尽くしていった。


 だがやはり、この程度の数の餓鬼を倒したところで、炎獅子に進化した俺のレベル上限には達しないらしい。


 そのため俺は、もっとたくさんの餓鬼を狩るために大量の餓鬼が集まっていそうな下層への通路を探し始めたのだが、俺が下層への通路を探し始めるのを察知したかのようにして、天井を破りいくつもの『獄炎火球』が落下してきて、階層の地面に激突し始めたのだった。


 どうやら獄炎鬼が、何らかの手段で俺が下層に移動したことに気付き、上層から無差別に、俺がレベリングのために逃げ込んだ下層に向かって『獄炎火球』をぶつけてきているようだった。

 

 獄炎鬼が下層に向かって、ぶつけてきた『獄炎火球』は、階層を徘徊している餓鬼たちを巻き込みながら、下層の天井に次から次へと大きな穴を空ける。


 もちろん俺は獄炎鬼の放ってきた『獄炎火球』が下層の天井に穴を空ける気配を察して、すべて無傷でかわしながらも、さらに下の層へ向かおうとこの階層と下層とをつなぐ通路を探し続けていたのだが、何度目かの『獄炎火球』が天井に大穴を穿った(うがった)ときだった。


 物凄い轟音と共に地響きが鳴り響くと、俺のいる階層の天井が十メートル四方にわたって崩れ、たくさんの岩石や土砂と共に、俺を一撃で殺すことのできる赤道色の肌と怒り狂った人と牛を強引に混ぜ合わせたような凶悪な鬼の顔をした全長十メートル体重一トンを超すほどの筋骨隆々の巨大な体躯をした獄炎鬼が、降ってきたのだった。


 くそがっもう気付きやがったか!?


 俺は獄炎鬼が俺の考えに気付き俺を早々に始末しに来たのかと思ったのだが、俺の冷静な部分がそれを否定する。


 いや、冷静になれ。獄炎鬼はただでさえ頭が悪いのに、今は怒り状態でさらに脳筋(のうきん。脳みそが筋肉。つまり、おバカ状態)化しているはずだ。


 だとすると獄炎鬼の奴は俺の考えに気が付いたというよりも、ただたんに何らかの手段。おもに野生の勘か何かで俺の気配を察して、下層に向かって『獄炎火球』を撃ちまくっていたら獄炎鬼の重さに耐えかねて、上層。つまり獄炎鬼のいたボス部屋の地面が崩れて偶然下層に落ちてきたのだろう。


 まぁいい。


 もう俺は、覚悟を決めているからな。

 

 奴から逃げ回り、時に奴を利用して、レベルを上げて奴を超え、奴を倒す力を得るために、進化すると。


 だから、二度と奴には怯えずに、奴が追ってくるというのなら、奴の力を利用して、逃げ切ってみせる。


 ほら、撃って来いよ。俺を殺せる一撃を。

 

 俺は挑発するかのように、獄炎鬼を睨み付ける。


 俺に視線を向けられた獄炎鬼は、まるで俺の挑発に乗るように、俺を睨みつけると、野太い牙の生えた口腔を大きく開いて呪力を溜めると、俺目がけて特大の、今までの数倍はあろうかという『獄炎火球』を吐き出してきた。


 だが当然いくらでかいといっても、『獄炎火球』の速度が上がるわけでもなく俺は、大きく後方に飛び退ってかわす。


 俺にかわされた特大の『獄炎火球は』、地面にぶち当たると、そのまま地面を溶かして、直径五,六メートル規模の下層への道を空ける。


 俺は特大『獄炎火球』の激突した地面を見て、やっぱ威力半端ねぇ。と感想をこぼしていると、地面に激突した特大『獄炎火球』は、そのまま威力を弱めずに、地面を溶かしてたどり着いた下層をそのまま行き過ぎて、そのままその階層も貫通した後次の階層の地面に激突して、爆ぜた。

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