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第二十話 餓鬼洞①

 レベル上げを兼ねて、スカスカになった腹を満たしつつ、スキルチェックを終えた俺の脳裏に、ある疑問が浮かび上がってくる。


 そういえば、気にもとめていなかったけど、俺がレベル上げでよくお世話になっている餓鬼や死人たちって、どこから来るんだろう? 特に餓鬼。あいつら無尽蔵に涌き出るように現れるし、いったいどこから来るんだろう? 

 

 炎獅子になったことで、多少の余裕が生まれた俺は、素朴な疑問を頭に浮かべると、興味本意にレベル上げを兼ねて、この世界に沸き出すように無尽蔵に増え続ける餓鬼の出所を探ることにした。


 そうして俺は、餓鬼たちの出所を探るために、餓鬼が現れる方角へと餓鬼をすれ違いざまに燃やしながら進んでいった。


 しばらくすると、俺は餓鬼がある一方方向から歩いてくることに気が付いた。


 そして餓鬼が歩いてくる方角には、幾つもの小さな岩山を見ることができた。


 怪しいな。


 そう思った俺は、餓鬼が歩いてくる方角にある岩山を目指して慎重に歩き始めた。


 まぁ慎重といっても、俺の目指す岩山から歩いてくるのが餓鬼ばかりなので、岩山を目指すついでにすれ違う餓鬼たちを燃やして、経験値を稼ぎながらだが。


 そんなことをしながら、俺が目的の岩山の近くにたどり着くと、そこにはいくつもの小さな岩山に囲まれるように、隠されるようにして、餓鬼が数体連なって通れるほどの土でできたこんもりとした洞窟が存在していた。


 洞窟? もしかしてあの中が餓鬼たちの巣穴って奴なのかもしれない。だとしたら進化のせいでレベルが下がっている今の俺にとっては、かっこうのレベル上げようのボーナスゾーンだな。


 俺はそう思いながらも念のために、洞窟の近くにある岩に気配を殺して身を隠しながら、数時間ほど様子を見ることにした。


 なぜなら洞窟の大きさからして腐餓鬼や餓鬼王が洞窟の中にいるとは思えなかったが、もし万が一腐餓鬼はともかく餓鬼王が洞窟内に潜伏していた場合。炎獅子に進化したとはいっても、未だにレベルが低い俺では、餓鬼王の『物理無効』を覆せるスキルである『風圧拳』や『大威圧』とまともにやりあったらやばいからだ。


 しかし俺が慎重に様子をうかがっているというのに、洞窟から出てくるのはやはり餓鬼だけのようで、餓鬼王はおろか腐餓鬼すら出てくる様子がなかった。


 しばらくの間様子を見て、このままここにいても仕方ないと踏んだ俺は、意を決して餓鬼の湧き出てくると思われる洞窟。名付けて餓鬼の洞窟。餓鬼洞(ボーナスゾーン)へと進むことにした。

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