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第百二十三話 川の上の戦い① 川の中に潜むもの①

出来たので上げます。

 そうして俺は河川敷に巣くっていた地蜘蛛たち退けて、大量の水の流れる幅二十メートルはある川の川岸にまで辿り着いていた。


 あとの問題は、どうやって川を渡るかだが、その方法はここに来る間に二つほど考えてある。


 一つ目の案は、二十メートルの川幅に、『集石』でアーチ状の石橋を架けることだ。


 ただこの場合。岩肌で出来たそれなりに重量のありそうな俺が渡れるような二十メートル級の石橋をかけるとなると、それなりにMPを消費することになる。


 まぁ俺にはMP自動回復スキルなんてのもあるにはあるが、川向うに渡った際、こちらに今までいなかった地蜘蛛がいたように、餓鬼の群れだけでなく、それ以上に厄介なものが潜んでいるかもしれない現状で、MPの無駄遣いは極力避けたいのが現状だ。


 それにもし俺が歩いて悠々と渡れるほどの石橋をかけたとして、そのまま放置したりすれば、間違いなくこちら側にいる餓鬼や地蜘蛛などが川を渡ってしまうだろう。


 で、それを防ぐためには、俺が渡り切った後に、石橋を破壊しなくてはならなくなるわけで、そうなるとさらにMPの無駄遣いをしなくてはならないという悪循環に陥ることになる。


 それを避けるためにも、一つ目の案はないな。と俺は結論付けると、用意していた二つ目の案を実行することに決めた。


 俺は川岸に立つと共に、川に向かって左手を向ける。


「『しゅ・・う・・・せ・・き』


 俺が言語スキルを上げるために、数メートルはある石の柱をイメージしつつ、片言でスキル名を告げる。


 すると俺のイメージした通りの石の柱が、川底付近の石などを集めて、川の底から直径一メートルほどの石の柱をせり上がらせる。


 そう俺は、川に橋を架けるのではなく、二十メートルある川幅の要点に石の柱を作り出して、その上を跳躍して川を渡っていく方法をとることにしたのだった。


 俺は早速水面から二メートルほどの高さに顔を出した石の柱に向かって跳躍して飛び乗った。


 うん。この感じ思ったよりしっかりしてる。これならここから跳躍できそうだ。


 石の柱の上に飛び乗って、足裏に当たる石の柱の感触を確かめた俺は、心の中で頷きながら、先ほどと同じように左手を前に突き出すと、今度は今乗っている柱よりも低い位置に石の柱を作り出す。


「『し・・ゅう・せ・・・き』」


 俺のいる位置より数メートル先の川の中から、今俺の乗っている石の柱よりも一回りほど大きく、五十センチほど背の低い石の柱がそそり立つ。


 俺が今乗っている石の柱よりも、一回り大きく背の低い石の柱を作り出したのには、それなりの理由がある。


 まず、一回り大きくしたのは、俺が跳躍した時着地しやすくするためと、今度は飛び上がるのではなく飛び降りるための衝撃に耐えられる強度を得るためだ。


 これを何度か繰り返せば、すぐにでも向こう岸にたどり着けそうだな。と思いながら、俺は数メートルほど離れた川の中に作り出した石の柱に飛び移る。


 そうして俺が、何度か石の柱を川の中に作り出しながら川を渡り始めて、丁度川の中ほどへと差し掛かった時だった。


 俺の着地した石の柱に、地震が起きた時のような。何かが勢いよくぶつかった時のような衝撃がかかったのは。


 俺は石の柱に材木などの漂流物でもぶつかったのかと思って、石の柱の近くの川面へと視線を向けた。


 俺が視線を向けた先の川面には、俺の乗っている石の柱を壊して俺を川の中にでも引きずり込もうとしているのか。体長一、五メートルほどのゴツゴツとした尖った岩の塊のような甲羅を背負い、ワニガメのように凶悪な(おもて)をした亀のようなものが浮かんでいた。


 なんだこの亀は? というか。こんな凶悪な面構えをした大きさの亀が現世(こちらがわ)に居るのか? と、一瞬疑問に思うも、この容姿からして、この亀が現世(こちらがわ)の物でないと思った俺は、亀を凝視して鑑定する。


 名前 なし


 種族 地亀(ジガメ) 


 レベル 23/25


 状態 普通 

     

 HP 110/110


 MP 10/10

 

 攻撃力25

 

 防御力30

 

 素早さ1+水中2=3 (水中移動時に限る)

 

 呪力15


 耐性 

    水耐性+15

    炎耐性+15+20=35 (水中補正+20)



 スキル 


     噛みつき レベル3 (攻撃力とは関係なく、強靭なあごに力を利用して、岩を砕くことができる。噛まれたが最後相手の息の根を止めるか、噛みついた部位を噛み千切るか引き千切るまで決してはなさない)


     水弾レベル2 (口からソフトボール大の水の塊を耳側四十キロほどの速度で吐き出す)


 常時発動スキル


     水中遊泳 レベル2 (地上を移動するよりも、水中にいる時の方が動きに素早さ補正がかかる)



 称号 

     耐え忍ぶもの(地上での動きが鈍いために、なかなかエサにありつけずに、空腹を耐え忍んだ者のこと)


     雑食 (草や木や肉など、ありとあらゆる食物を喰らうことができる)


 特徴  

     地獄の川や湿地などに住み、地獄にわずかに生える枯れた草木や地獄を徘徊する死人や餓鬼や死肉など何でも喰らう。雑食性の亀。


     特に水中において獲物を見つけた場合。亀とは思えないほどに素早く動き、水中においては決して獲物を逃さない。喰らいついたら離れないスッポンの様なしつこさを持っている。


 備考   硬い甲羅を持っているために、生半可な攻撃では、ほとんどダメージを負わない。


 そして硬い甲羅はただでさえ火に強いが、水中にいる間は、特に水神の加護を受けているのではないかというほどに火に強くなる。


 次のレベルまでの必要経験値189


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