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第百十八話 初心に帰ってスキルチェック③ 『集石』

 で、あと俺が試してないスキルは『炎の壁』と『集石』に、『炎呪縛の鎖』『憎悪の炎』に、融合スキル『溶岩石』だけど、あまり時間もないし『炎の壁』はあらかた使い込んでるから試すほどでもないな。それと融合スキル『溶岩石』は、威力が高すぎて、ここらで試したら大惨事になりかねないと思うのでやめておこうと思う。


 だとすると、残るスキルは、『集石』に、『炎呪縛の鎖』と『憎悪の炎』か。


 この中から選ぶとしたら、やはり陰陽師たちとの戦いやら何やらで、色々とお世話になっていて、攻撃にも防御にもかなり使えるスキル『集石』しかないと思った俺は、左手を前に突き出して、針山をイメージすると、数体の餓鬼の固まっている足元を狙って『集石』を発動させた。


 俺が発動させた『集石』は、餓鬼の足元に高さ一メートルほどの石の針を出現させると共に、あっさりと数体の餓鬼たちを串刺しにした。


 うん。やっぱ『集石』は使えるな。こうなんていうか、俺にも『火線』みたいに呪力的な力を使った中距離スキルはあるけど、こう『集石』みたいに、物理的なダメージを与えることのできる中距離スキルっていうのはないからな。


 そう考えると、もし俺が『集石』を手にしていなかったとしたら、物理攻撃無効スキルみたいに、呪力攻撃無効みたいな防御スキルをもっている敵にぶつかった場合。接近戦ならともかく、俺の物理攻撃の届かない距離から攻撃され続けたら、俺はなすすべなく詰んでいるはずだ。


 そう考えると『集石』は、俺にとってかなり重要なスキルということになる。


 そのことを改めて再確認した俺は、自分に乏しい中長距離の物理攻撃スキルの種類を増やそうと思い。『集石』を使って、バレーボールほどの岩の塊をいくつも産み出すと、それを手にとって野球選手のように腕を振りかぶると、そこそこの力を込めて十メートルほど離れたところにいた餓鬼に向かって放り投げた。


 俺の放り投げた丸い岩の塊は、俺の常時発動スキル『炎の壁』のせいで、勝手に火属性が付与された火岩石の(ひがんせきのたま)となり、素人の放り投げる野球ボールほどの速度で餓鬼にぶち当たると、餓鬼の体にクレーター上の穴を開けて、体を燃え上がらせながら絶命させた。


 俺は火属性が勝手についた火岩石の弾が、餓鬼の体にクレーター上の穴を空ける様子を見て、やっぱ物理攻撃系は強いな。と感想を漏らす。


 それから何発か同じように餓鬼に向かって火岩石の弾を放り投げるも、『炎呪縛の鎖』のように、自分の呪力と繋げて操作できないせいか。俺はいくつかの的(餓鬼)を外してしまっていた。


 う~ん。威力はあるが、命中率に難ありか。要練習ってとこだな。と俺は心の中で感想を述べると、火岩石の弾の検証を終える。


 というか。こうやって岩を投げれるってことは、もしかしたらこれなら指弾とかもできるか? と思って近接戦闘におけるけん制用として、俺は『集石』を使って一円玉ほどの球体をいくつか作り上げた後。


 指弾をうまく使えるか試してみたのだが、残念ながら俺の岩肌でできた指は、あくまで見た目が人間の指で、拳を握り込んだり開いたりすることはできるのだが、指弾を飛ばせるほどの細かい動作などはできなかった。


 まあ仕方ないか。細かい作業を諦めた俺は、今度は何となく『集石』で集めた岩が、どこまででかくなるか試してみたくなったのだが、すでに極炎鬼を倒した『溶岩石』ぐらいになることはわかりきっていたので、今はあまり時間もないことだしやめておくことにした。


 ただせっかく石を集めることができるのだから、使い勝手は悪くはないが防御力の弱い石の盾とかでなく、自分の身を守る鎧とかを『集石』によって、作れるのではないかと思い実行しようとしたのだが、俺が石の鎧を身につけた場合の弊害として、その重さのせいで著しく動きが制限されたり、素早さなども格段に低下することが予想されたので、餓鬼の群れを追跡中ということもあって、今回はやめておくことにした。

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