可愛くないピアス女と、善足り得る嘘吐き
「よう、どうも!バカ野郎!」
「君に馬鹿呼ばわりされるような事した覚えはないのだけれど。てか、君が此処にいる事が、僕にとって疑問なんだが」
「私が何処にいたって、どうだっていいだろ、バカバカ!このウソツキ!」
「それに、様子も妙だ。薬か?眼を見せろ」
「触るなヘンタイ、女たらし!ここでも、騙して、捕まえて、何をしようって」
「上がる系統は、渡してないはずだ、と、なると佐藤か」
「聞けよ!」
「聞いてるよ。此処じゃあ何もしていない。何かする必要がないからだ」
「じゃあ、私たちにはあったのかよ?」
「本当に有るか無いか、はどうだっていい。重要なのは僕がそう思ったかどうかだ」
「自分勝手で滅茶苦茶だ、」
「そうだ、その通りだ」
「……なんで、私たちには、あるって思った?」
「少なくとも、お前には確信が有った」
「だから、それは何」
「見た目、どっからどうみても、駄目だ。適切な処理が、必要だ」「は、どこが」
「その似合ってないピアス」
「勝手だろ」
「別に良いけど、気になるのさ」「いったい、そんなに、どうして。お前にとって私は何だ?」
「家族」
「家族?」
「そう、家族。妹のようだ。君を妹のように愛している」
「そうかよ、バカ兄貴。きっとこのバカ妹は、手に余るぜ」
「構わないよ、だって、僕の大切な特別だから」
「は、やっぱりクソ食らえだ。バカ」