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プロローグ
真っ青な空を見上げる。
―いつか貴女に会いたい―
叶わぬ想いは空に散って風になった。
汗臭い部室の窓からは薄い光の筋が差している。何人かのむさ苦しい男たちが狭い部屋に密集している。見ているだけでも眉間に皺の寄る光景だ…。
「秋の選手は――」
顧問のやたら野太い声が室内に響く。誰も何も言わない。皆、結果は分かっているのに。
ふと右側を見ると、昭吾と目が合った――のは気のせいだろう。彼の目はどこか遠くを見るように顧問に向いていた。
「……、短距離、渡辺」
はっ、と我に帰った昭吾は焦点を合わす。
「以上。特に3年、期待してる。」
顧問の目はじっと昭吾を見据えていた――
高校3年。幼馴染みの昭吾と話さなくなって3年目。
――想像通り、何の不思議も無い、俺の最悪の夏は始まった。
駄文です(涙)
初連載ですが…頑張りますっ。