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聖女の奇跡が止まった日  作者: あめとおと


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5/12

書類が、急に届かなくなった

――地方役人視点――


 最初は、些細な違和感だった。


 いつも期日ぴったりに届いていた書類が、来ない。

 問い合わせを出しても、返事が遅い。


「中央は何をしているんだ?」


 そう愚痴をこぼした翌週、ようやく届いた通達は――

 内容が、致命的に噛み合っていなかった。


 予算は未承認。

 人員は不足。

 指示は曖昧。


 以前なら、あり得なかった混乱だ。


「前は、こんなことはなかったはずだが……」


 同僚が、ぽつりと言った。


「悪役令嬢が追放されたでしょう」


 その一言で、点と点が繋がった。


 王都にいた頃、私は彼女と一度だけ会ったことがある。

 多くを語らず、しかしこちらの事情を即座に理解し、

 必要な許可を、すべて整えてくれた人だった。


 感情ではなく、現実を見ていた。

 善意より、結果を優先していた。


 ――だから、嫌われたのだろう。


 今、地方は疲弊している。

 それでも王都は、まだ気づいていない。


 秩序は、自然に保たれていたのではない。

 誰かが、黙って支えていたのだ。


 追放されたのは、悪役令嬢。


 だが失われたのは――

 国を回していた、理性だった。


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