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第三話 戦火へ

さて第3話!

楽しんでいただけると幸いです!

 爆撃の中、焦った顔でセリスは図書館の中へ走り去っていった。 全員がそれを追って中に入ると、セリスは1枚の紙を凝視していた。 「あの旗… 盾の紋章に2匹のライオン… グラン=セプトの国旗よ… この国とは同盟を結んでいたはずなのになぜ…?」 その紙をのぞき込むと確かに同盟成立のサインがなされていた。 前グラン=セプト国王レオニスの名前で。


 紙を見て呆然としていると図書館のドアが急に開いた。 「おい!誰かいるか!」 村の青年が大声を張り上げて館内へ入ってきた。 その声を聴いて顔をのぞかせたフィンを見てその青年は続けた。 「良かった! ダメもとで来てみたが人手がいたか!」 エリオ、セレス、リュネが集まってくる。 「その顔は… エルグレイヴ家のフィン君とセレスちゃんか! 君たちは確かもう15の儀式は済んでいたか… ならちょうどいい!手伝ってくれ!」 そういって青年は駆け出して行った。


 あとをついて出てみるとほぼ崩壊したブラン村国国民がその中から兵を集めていた。 「おーい! まだ戦力になりそうな子たちがいたぞ!!」 先ほどの青年がその中に伝える。 その戦力という言葉に引っ掛かりフィンに闘えるのか聞いてみた。 「先ほどは伝えられませんでしたが、この国のしきたりでは12歳で成人、15歳からは冒険者のようなくくりになって自由に旅に出られるんです! 成人してから3年はそのための座学や訓練は積むのですが…」 ということらしい。


 人集めが終わったのか、国民兵を率いるのであろう口ひげを生やした恰幅のいいおじさんが「揃ったか! あの同盟破りのグラン=セプトに一泡吹かせるぞ!」 と号令をかけ進軍させた。 「まさかこんな形で実践になるとは思いもよりませんでしたね…」 とフィンがこぼす。 「まぁまぁ訓練でさんざんやってきたじゃん!」 とセレスは気丈に笑い飛ばした。 セレスに散弾はあるのか尋ねてみた。 「んー、まぁ訓練でしかやれてないんだけどねー。 フィンが周りの流れを読んで切り込むべき場所を教えてくれるから、私はそこに思いっきり切り込む! 昔からフィンは頭が、私は腕っぷしが強かったからね!」 と教えてくれた。 「エリオさんは…見たところ僕と同じ15のようには見えますが… 実践は大丈夫ですか?」 15超えてるように見えるらしい。 それならそうなのだろう。 大丈夫、と答えるように頷いた。


 セレスが言う通り、兄弟の息はぴったりだった。


 フィンが的確な指示を出し、セレスが違わずそこに切りかかる。 見事なものだった。 もちろん自分もただ見ていたわけではない。 あの女神、名前や説明は一切しなかったのに、バフはかけていたのだろう。 敵の陣形の弱点や自分がとるべき動きが手に取るようにわかる。 体が軽い。 フィンの指示や時にはそれに先回り、セレスと敵をねじ伏せていく。 そろそろ戦も佳境に入ろうかというとき、リュネの水晶がきらめき…

突風をよんだ。 やはり多勢に無勢、奮闘したとはいえ押され始めていたブラン村国軍を、その突風が救った。 グラン=セプト軍を空の彼方へ消し去ったのだ。


 突風により火柱も消え、グラン=セプト軍の姿見えなくなった頃勝ちどきが起こった。 一通り騒いだ後、戦った国民たちがこちらへ向かい、讃えた。「いやぁ、初めての実戦だろ? めちゃくちゃ活躍してたじゃねぇか!」 「あの風を吹かせたのは君か? ありがとう!」 口々に賞賛を受ける。 「いやぁ、本当に君たちがいてくれて良かったよ! ありがとう!」 自分たちを引っ張ってきた青年がそのような心からの感謝を述べながら近づいてきた。 「実はこの戦乱で軍を率いた父であり国王が戦死しちゃって… よければこの国を継いでくれないかい?」 そう持ちかけられた。


 …聞いた時意味が分からなかった。 お父様が戦死されたならご子息であるあなたが継ぐべきでは?そう尋ねた。 「いやぁね、僕はそんなめんどくさいことはしたくないし、なにより向いてないから! 初陣であそこまでの活躍を見せてくれた君たちなら安心して任せられるよ!」 青年はあっけらかんとそう答えた。 


 フィンも流石に驚きの表情を浮かべていたが、「本当ですか!?」とすぐに目を輝かせて食いついた。 セリスはまだ呆然としているし、リュネは相変わらず全く感情が読めない。 一番の功労者のはずなんだけどな…と心の中で苦笑する。 「あ、そうだ!国名も勝手に変えちゃっていいから! 考えといてね!」 …えぇ… フィンの目が輝いた。


 その晩はウキウキで国の名前を考えるフィンと床についた。 戦乱があったとは思えない静かさである。 自分たちは国を得たのだ… 改めて自覚し眠りについた…

 

 

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