第21話 大戦
第21話!
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頭を突き合わせて旧ミレリア領奪還の作戦を話し合っているとき、アルヴァンは「仮にグラン=セプト本国から援軍が来たら、われらに任せてもらおう。 腐ってもあそこのもと同盟国であり、親なのだから何とかして見せよう。」と頼もしいことを言ってくれた。 そのため、基本侵攻するのは自分たちテトリア、セプティア連合軍。 抑えや援軍対応としてフェルディン軍が来てくれる、という感じだ。 ミレリアも我々と同じ小国であったため、領土は小さい。 そんな領土でも、拠点をつぶす意味では奪還の意義は大きいだろう。 こちらも痛手を負いたくはないし、フェルディンに負わすのも申し訳がない。 ガルディア奪還のときのように、速やかにけりをつけることにした。
互いの軍が向かい合う。 旧ミレリア領のグラン=セプト軍対自分たちの連合軍。 本国からの援軍さえなければ兵力はこちらの方が多い。 ガルディアも、レオニスも、さらにはこちらにはカイルもいる。 抑え込むのは容易だろう。 向こうもそれは重々承知なのだろう、準備万端と言わんばかりに一気に押し寄せてきた。 守り切る戦はこちらも慣れている。 慌てずに落ち着いて対処していく。 兵力差や武力差もあり、徐々にこちらが押せていく。 こうなると、グラン=セプトノン軍の動きが気になる。 制圧しながら、外側に気を向ける。 もし仮に本国から遠国が来ているのなら、周りで警戒しているアルヴァンのフェルディン軍が騒がしくなるはずだ。 領土が小さいため軽視しているのだろうか? どっちにしろもし来たらやり返す、と意気込んでいたアルヴァンからしたら肩透かしを食らったようなものだろう。
特に何事もなく、無事に押し切ることができた。 勝てたのは良かったが、不気味なものである。 「なんだかなぁ…」と、終わった後もアルヴァンをはじめとした武に自信があるものは物足りなさそうな表情をしていた。 確かにそうだ。 相手は大国。 かなりの荒れた戦になることを予想していた。 然し領土奪還したのには変わらない。 足がかりが増えたのは素直にうれしい。
戦の感想をみんなで話し合っていたころ、突如として軍の一部分が騒がしくなった。 しかし、事態の急を伝えに来る者はいない。 兵士同士がいざこざを起こしているのだろうか? 「騒がしいが何かあったのか? 見る限りお主の軍だろうと思うが」とガルディアがアルヴァンに尋ねたときであった。
急にフェルディンの旗がはためくのが見えた。 外側に配置したままであったため、その旗が見えるのには不思議はない。 しかし、その旗が異様な雰囲気でこちらに向かってきたのだ。 ぼろぼろの兵士が1人こちらに走ってきた。 「アルヴァンさま! エルフィア様がフェルディンにいた少数の兵を率いてこちらに侵攻してきました! それにそそのかされたわが軍も混ざり、現在はかなりの数になっています!」 エルフィアの謀反である。 それを聞いたアルヴァンは青い顔になり、「レオニス殿…?」と協力者の顔を仰いだ。
「そうなってしまったか…」とレオニスは憐憫の表情を浮かべ、軍の準備をした。 「どうするおつもりです?」その様子を見たアルヴァンは震えながらレオニスに聞く。 心のどこかで返答は予想しているのだろう、答えが返ってくる前に自らも軍の準備をした。 「決まっておろう、エルフィア殿を止めに行くのだ。」 その返答を聞いたアルヴァンは諦めたように軍に号令をかけ、そちらへ向かった。 こうなってしまえばエルフィアは無事には終わるまい。 背中には哀愁が漂っていた。
「本当にいいんですか?」 エルフィアのもとへたどり着くためにもともとは自分の兵士であったフェルディン軍を蹴散らしているアルヴァンにフィンが聞いた。 「もうこうするしかあるまい、もうこうするしかないのだ…」青い顔をしてそのようなことをずっとつぶやいていた。 返答もままなっていない、心の準備が整っていないのであろう。 その分を埋めるように、レオニスやガルディアがいつもより張り切って敵を蹴散らしていた。
エルフィアのもとへ行くのにそこまでの苦労はなかった。 簡単に今は敵、もともとは仲間であった者たちを蹴散らしてたどり着いた。 「なぁ… エルフィアよ… 一体どういうことなのだ…?」アルヴァンはすがるように尋ねる。 それに対して、エルフィアの言葉は痛いほど冷淡であった。 「残っている皆の者、この裏切り者を捕えなさい。」 アルヴァンへの返答ではない。 それは、目の前のこの男を敵、裏切り者と断定した言葉であった。 その言葉にアルヴァンは打ちひしがれ、動けない。 しかし、その言葉にレオニスとガルディアが反応した。 その命を受けたエルフィアの側近がアルヴァンを捕えるより早く、エルフィアを締め上げた。
そのあと、エルフィアは牢獄へ収監された。 アルヴァンはよほどショックだったのだろう、目の焦点も合わない。 自分たちは、そんなアルヴァンに聞こえないよう、エルフィアの処遇を話し合い始めた…
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