幕間第2話 救出~ガルディア視点~
幕間第2話!
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いやぁ、しくった。 捕えられ、連行されているとき心の中でそうつぶやき、苦笑する。 結果的には、数に押されて捕えられた。 しかし、負けたのは数で、である。 武で負けたとは微塵も思っていなかった。 あの時までは…
かなりの数に囲まれ、レオニスの声が聞こえたとき、ガルディア自身もほぼ包囲網を押し返さんとするところまでは来ていた。 しかしそううまくはいかなかった。 逆にガルディア包囲網が盛り上がってしまったのだ。 きっかけはなんてことない。 一人の男が包囲網に加わったのだ。 その男は、フェルディンの国旗を背負い、ふらりとガルディアに近づいてきた。 一目見たガルディアは、また雑兵が来た、と特には気にも留めなかった。
しかし、ガルディアがそちらに剣を向けると、その男はもういなかった。 同時に、鋭い一閃がガルディアめがけて飛んできていた。 ガキン、と音鈍く受けるとその一撃を繰り出してきていたのは、雑兵だ、と気に留めなかったその男だった。
瞬間、ガルディア包囲網がざわめきたち、盛り上がる。 「おい… あれって…!」と周りの包囲人兵士が興奮したようにささやきあう。 その男が来てからはもう駄目だった。 懸命に剣をふるうもその男に対しても、その男の与える兵士への士気へも押し切ることができない。 そのまま力尽き捉えられる寸前、その男の冷たい目がこちらを刺した。 その眼が忘れられない。 いやぁ、しくった。 同時に、完敗だった。とも思う。
フェルディンへ連れてこられて、まず驚いた。 入れられたところが宮殿の近くということに加えて見張りしか来ないようなところなのである。 しかも、見張りの兵士の勤務態度もまじめ、と言えたものではない。 常にひそひそと話をしていた。 耳をそばだてると、「今度のこいつはあの人に負けて連れてこられたらしいぞ…」 自分をあざける言葉がほとんどであった。
その中でも、気になる一言もあった。 「テトリアの動きは平穏そのものだと」 その言葉が聞こえたとき、自分でも自覚していなかった失望が襲った。 裏切られた、いや、切られたか。 そう思った。 しかし同時に当然だろう。と冷静にあきらめていた自分もいた。 確かにわれらは同盟を組んでいたが、どうせどちらも小国、大きい影響はない、ととられたのだろう。 無自覚の失望と諦観、その二つの狭間でガルディアは大いに苦しんだ。
その状況の中で、自分の懇意にしていた国民が突如目の前に姿を現した。 信じられない。 そう思いながらも、正面の国民から話を聞く。 さらに信じられない話をされた。 エリオ殿が自分を救いに交渉しようとしている、さらにそれが無理であったら軍も使おうとしているという。 信じられなかった。 しかし、うれしかった。 大粒の涙が何度もこぼれた。
そこから少し。 牢獄で大人しくしていると、突如外が騒がしくなった。 大勢の軍勢が周りに見える。 まさか、と期待して外を見る。 男がこちらを見ていた。 見覚えがある、とても。 レオニスとエリオであった。 「すまんかったな。 遅くはなったが助けに来たぞ。」レオニスはぎこちなく微笑んでそういった。 レオニスはこちらを見るや否や包囲網から救いきれなかったことをわびた。 こちらは何度も感謝を伝えた。 レオニスにもエリオにも。 助けてくれたこと、助けようとしてくれたことを。
「もうよい。 帰ろうではないか、われらの国に」 レオニスはむずがゆそうにそう言った。 自分の馬もある。 頷いて馬に乗った。 恥ずかしかったため、馬は飛ばして追いつかれないように走った。 今、ガルディアは思う。自分はもはや切られてもいい。 この同盟国と運命を共にしよう、と…
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