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人質

いつから学園物語が始まるんだ!

と思った人は多いだろう。

残念ながらまだ先だ(こっちだって早く終わらせたいよ!!!)

俺はあのあとテントを片付けた。 

昨日の戦闘が嘘のように体が動く。

さてと、問題は


「この竜だよな・・・」


一応アイテムボックスに入るけど、俺はあの人に返さないといけないと思う。

これはあの人が倒したんだ。俺が持ってていい品物じゃない。

そうだ。名声を集めればいいんだ。

そうすれば、俺は有名人になって、あの女性の耳に届くようになるかも。

そのおかげで、あの竜を返すことができるかもしれないな。

そのためには・・・


「なおさらランクを上げないといけなくなったな。しかしBランクからは推薦なんだろ?どうしたもんかな・・・」


でもいまはとっとと帰りたい。あんな地獄は二度とごめんだからな。

あの後、依頼内容の確認を行いすぐさま帰った。







帰った後、依頼の達成の報告をしに、ギルドに来たのだが・・・

なんか慌ただしい状況になってた。理由を尋ねると・・・


「夜翼竜ノクスが近くの森で姿を現したんですよ!そのため、世界各地の高ランクの冒険者に召集をかけているの!そうしないと村が滅ぶ可能性があるの!」


あー。あの竜ね。どうしっよっかな・・・俺を助けてくれた人ががもうすでに倒してあること。その死体俺が持ってること。どちらも説明したほうがいいよな。


「あの・・・その竜なんですが・・・」


アイテムボックスから竜のの頭を取り出す。

ギルドにいた人はみんな引いてた。なぜ俺がこの竜を持ってるのか説明した。


「えっと・・・まずナイトハウンドの討伐が終わって拠点に戻る途中に此奴(夜翼竜ノクス)に襲われて、まあ、鱗に傷を負わせることはできたんですけど、そこからフルボッコにされ手も足もでなかったんですよね。で、食われそうになったところに一人の女性騎士が現れて、一瞬で切り裂いた」


尚更ドン引きしていた。


「なので俺が倒したわけじゃないんですけど、一応安全は・・・」


「あの・・・その騎士様の十分化物ですけど、鱗に傷を負わせたあなたも十分化物ですよ。」


「そうなんすか・・・なんで・・・?」


夜翼竜ノクスについてはあそこで存在を初めて知ったからな。なんかやばい理由でもあるのか?


「夜翼竜ノクスは夜を作り出しそこに溶け込むんです。その状態だと例外を除いて絶対に攻撃が当たらないんです。」


「その例外とはいったい・・・」


「リュート。その例外は空間系のスキルや魔法だ。」


後ろから声がしたと思ったらティムさんとセレナさんだった。今さっきギルドに


「すごいね、リュート君。まさかもう既に空間系のスキルを手に入れてたなんて。」


「ありがとうございます。セレナさん。」


「んで、誰が倒したんだ?」


「俺を助けた女性騎士です。また会う機会があればこの竜をお返ししたいと思ってます。」


「そうかよ。・・・夜翼竜ノクスの首を難なく切った女騎士か・・・少し心当たりがある。」


もしかして、その人知ってんすか?マジで⁈誰誰⁈


「SSランクにいる帝国の聖騎士団長のしかないな。」


帝国の聖騎士団長って聞いたら納得の声が上がった。そんな有名人なの?あの人。


「そんなに有名な人なんですか?」


「当たり前だ。あの人は常に無駄がなく、隙が常にない。それに、舞踏をしているかの如く美しい剣さばき。そこから出る刃は一撃で仕留めるかの如く鋭い。そのため、ほぼすべての騎士の憧れとなる存在だ。その名前は・・・」


『レティシア・ヴァイスクロイツ』か・・・覚えとかないとな。


「とにかく村の脅威は去ったようだな。が、災害級(ディザスター)の竜を単独討伐か・・・ほんと恐ろしいぜ。」


あのあとは、ギルドが落ち着いてからナイトウルフの討伐と薬草集めの依頼を達成したことを報告した。

討伐証明に出した。

ナイトウルフは問題はなかったが・・・薬草を取ってきすぎ!と怒られてしまった。

やっぱり?だって帰る途中群生地を見つけてしまったから。

すみません。ほんとすみません。

でも、町が平和になってよかったよ。ほんと。







―――あれから数年たった。

依頼をたくさんこなしていくうちに、この村ではトップクラスに強い冒険者になっていた。

まあ、それでもティオさんには一回も剣の勝負に勝ったことはないけど・・・

あの人強すぎだろ。

一発一発がすげー重いんだよ。

あと、あの竜に襲われた以来、時折記憶が飛んでいる時があるんだが、それは一体何なんだろうか。

まあ、いっつも一人の時に起きてるから問題ないんだが。


それはそうと今討伐隊の編成をおこなっている。

何故か?

その理由は、この村の近くに凶悪な盗賊団のアジトがあることが判明したのだ。

しかも結構でかいのが。

色々あって、盗賊団の一味がアジトについて口を滑らしたんだ。

そのためか、すぐに討伐隊を組んでいる。


「報告は?」


「はい。奴等(盗賊団)は洞窟を掘ってそこを拠点しています。数は100を上回るかと。」


「わかった。」


「ティオさん。実はアジトの近くに人一人が入れるくらいの廃坑道があり、そこからアジトに侵入できます。この抜け道を使うのはどうでしょう?」


「了解。今から作戦を話す。」


作戦としては―――


・まず、少数精鋭の主力部隊を除いたすべての部隊が三か所の入り口に強襲を行う。

・その隙に少数精鋭の主力部隊は廃坑道ルートから静かに侵入。

・そこから盗賊の背後を取る。



作戦を話し終えると一人の冒険者が手を上げる。


「もし人質がいたらどうする?肉壁にされたら救出が難しくなるぞ?」


「そこは大丈夫です。人質の場所はもう既に俺が調べています。場所はアジトの奥です。廃坑道を出てすぐに人質が囚われている場所に俺が案内しますので主力部隊は俺についてってください。」


「りょーかい。」


「それでは作戦開始!」




俺達は盗賊のアジトへ進軍を開始した。

俺を含む少数精鋭部隊は裏ルートへ、

それ以外の部隊は、それぞれ洞窟付近に向かった。

俺はと言うと一足早くアジトの近くにある高台で部隊の移動を様子見ていた。

しばらくすると、一人の冒険者が走ってきた。


「全部隊出撃準備完了しました。」


「りょーかい。セレナさん。突撃の合図の魔法を。」


「わかったわ。――火球(ファイアーボール)――。」


セレナさんが合図の魔法を放った瞬間、雄叫びと共に冒険者たちが突撃を開始した。

俺たちも裏ルートの侵入を開始した。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裏ルートからの盗賊のアジトに侵入に成功した。

部屋には松明だけ置いてあった。

通路を見ると等間隔に松明が設置されてた。


「うまく侵入できたんだが・・・人質はどこだ?リュート。」


「この部屋を出て、すぐ右をまっすぐです。」


「わかった。急ぐぞ!」


俺たちはまっすぐ人質がいる部屋に向かった。


部屋に着いた。どうやら警備は出払っていたみたいだ。

湿気と汗と恐怖の匂いが漂っている。

松明は一本のみ、炎が弱い。

人質は鉄格子と木製扉の二重構造の牢獄にとらわれていた。

人質は8人見ると怪我はなかったが、栄養が行き渡らず、頬が少しこけていた。

手足は縄で縛られていた。

一部の人は何もかもあきらめた目をしていた。

俺は人質が一応生きていることを仲間に伝えた後、牢獄にいる人質全員を解放した。


「・・・みんな今日から自由に生活していいぞ。」


恐る恐る顔を上げ、そして一斉に安堵の息を漏らす。

そして次々と牢屋から出ていく。

――ただ一人を除いて。


「・・・お前も、自由だ。」


俺がそう声をかけても、返事はない。

近づくと、少年はかすかに笑った。


「無駄だよ。助かっても、帰る場所がない。家族も、仲間も・・・みんな殺された。守れなかった・・・」


無理に手を引こうとはしない。ただただ、目線を合わせる。

俺はそいつの目を見て、思ったことを口にし始めた。


「じゃあ聞く。あんたは()()()()()()ことを後悔してる?」


「・・・当たり前だよ」


少年は口にする。


「なら、終わりじゃない。」


少年が、初めて俺を見る。


「後悔できるってことは、まだ()を選べるってことだ。本当に諦めた人間は、後悔すらしない。」


沈黙。

牢獄に、遠くの戦闘音だけが響く。


「生きろ、なんて言わない。ただ交渉しよう。――今日一日だけ、俺と一緒に来い。」


「・・・それで何が変わる?」


「変わらなかったら、その時は俺が責任を取る。それでも死にたいなら、止めない。」


少年の指が、わずかに震えた。


「・・・卑怯だよ」


「交渉ってのは、たいてい卑怯なもんだ。それに俺は誰よりも卑怯者だ。」


長い沈黙の末、少年はゆっくりと立ち上がった。

その瞳に、ほんの小さな光が戻る。


「・・・一日でいい?」


「ああ、それでいい」


俺は手を差し出す。

少年は少し迷ってから、その手を取った。


生きる理由は、まだ名前すらない。

それでも――歩き出すには、十分だった。


「それで、名前は?」


「・・・『ルーベルト・フォン・アルヴィス』」


「ルーベルトか。君に似合う素敵な名前だな。」


「ははっ。ありがとう―――」


ルーベルトは無邪気な笑いをした。少しうれしそうだ。


「俺の名前はリュート・アルス。リュートいいよ。」


「リュート。よろしく。」


さてと、以上人質はいないと信じたいが・・・

念のため洞窟すべての部屋を調べてから破壊工作を開始するか。


「ルーベルト!この人に付いてってくれ。」


「この人は・・・?」


「ティオさんだ。俺が出会った人の中で一番信用できる男の人で、一応俺の父親だ。」


「さっきリュートに紹介された。ティオだ。血はつながっていないがリュートとは親子の関係になっている。それでリュート。お前どこに行くんだ?」


「ほかのところにも人質が囚われているかもしれない。だから、洞窟の隅々まで探そうと思って。」


「そうか、なら先に戻る。あとで合流しよう。」


「りょーかい。ルーベルト!後でまた会おう。」


「うん!」


俺はルーベルトをティオさんに預け、洞窟をかけ潜った。






洞窟をかけめぐってしばらく、人質がいないのを確認していた。

どこからか甘ったるい腐敗臭が漂っている。

まさかかと思ってにおいのあるほうへ一直線に向かった。





発生源にあったものは―――人の死体だった。

しかも大量の。


・・・周りにはハエが集っていた。

所々ウジ虫が湧いる。

骨が折れていたり、関節が変な方向に曲がっているものもあれば、手足がもぎ取られている死体もあった。

俺は、ゆっくりと死体の間を歩く。

気持ち悪いという感情はわかなかった。

ただ、怒りと憎しみであふれかえり混乱を生じた。




―――これは、俺の目の錯覚じゃないよな?


―――何故、こんなことを?


―――どうして、簡単に命を奪うことができる?


―――どうして俺は、怒りで震えているんだ?


―――どうして誰も止めなかったんだ?


―――これは、現実なのか、それとも悪夢か?


―――何故命は、こんなに軽いんだ?


―――どうして俺は、ただ立ち尽くすしかないんだ?


―――なんで、こんな悲劇を誰が招いたんだ?


―――何故、罪のない人々が…死なねばならない?


―――どうして心は、怒りでいっぱいになるんだ?


―――何故、奴等は平然としていられる?


―――何故命を奪うことが、平然と許される?


―――なんで、暴力が勝つ世界なんだ?


―――なんで、正義はいつも遠くにいる?


―――どうして、悲しみだけが残るんだ?


―――何故、彼らは苦しむ価値しかないのか?


―――どうして、世界はこんなにも残酷なんだ?



そうか・・・多分わかった・・・

こいつらは(盗賊共)は救いようのないゴミなのだ。

そうだ。

そうに決まっている。







――――――――――――ゴミ掃除をしないといけないな―――――――――――









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