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魔法学

今日は二話投稿します。

とゆうか唐突に通常授業が始まったな。最初はオリエンテーションとか色々やるのかと思った。

てか、魔法学って魔法の歴史とか学ぶのかな?それか普通に魔法を学ぶのかもな。でも、魔法が使える人間って1/1000の確率だよな?使えない人はどうすんだろうか・・・?

考え込んでいるとアランが話しかけてきた。


「なん難しい顔してんねん。移動するじぇ」


「お、おう・・・なぁアラン」


「ん?どうした?」


「一時間目魔法学って書いてあるけど、魔法が使えない人には意味がないんじゃ・・・」


「あほか。魔法の発動原理とね、軌道、威力、必要量、とかば覚えて魔法戦ば有利に事ば運ぶために必要やろ」


そう言い、俺の頭を軽くチョップした。


「アダッ!・・・確かにそうだね。ありがとう」


そう言い、俺とアラン、あとケルビの三人で一時間目の魔法学を受けるために移動教室を行った。その最中に二人に魔法が使えるか聞いた所、二人とも一応魔法は扱えるらしい。案外多いのか・・・?

だからと言って扱える属性は二人とも水と火の二つだけだったらしいが。

でも、羨ましいな・・・火魔法の適正あるのいいな・・・


そうこうしてるうちに魔法学室と呼ばれる部屋に来た。

中は・・・教室に射撃場併設されている部屋だ。射撃場があるってことは普通に実践もやるのか。すぐに打てる場所があるのはいいことかもな。

因みに席は自由なので適当に三人一緒に前列に座った。続々とクラスメイトが入ってくる。

学園生活最初の授業、魔法学。さて、どんな内容なんやら。


・・・そういえば、学園で思い出したけど向こうで生活してた時、高校生の時の記憶が一切ないんだよな。小中学では普通に友人関係が良好だった記憶があるし、同じ高校に進んだ友達もいたのを覚えてるから単純にボッチだったわけじゃないんだよな。


これも記憶封印の弊害か?もしこれで、高校生デビューに失敗してにボッチになって、記憶がないとかだったら心に来るな。

・・・もう考えないことにしよ。

今は今の自分の人生を楽しむか。恐らくだけど二度目の人生なんだし。


暫く待つと教室のチャイムが鳴った。それと同時に年齢が20代後半から30代前半の長身痩躯の男が入ってきた。恐らくあの人が魔法学担当の先生だろうな。

てか、身体から出てくるあの魔力量的に俺と大差ないな。魔力の流れもよく見えるし。周りを見ると一部の人間はあの男の魔力量を感知できているし、そんな強くはないのか・・・いや多分違う。

この人相当手練れな魔法使いだ。

セレナさんが昔こんなことを言ってた。




「手練れの魔法使いほど身体から魔力の流れが見えてくるの」


「・・・それは何故ですか?」


「それは単純。相手を油断させるためよ」




今、あの男を見てその意味がようやく分かった。魔法使いのほとんどは魔力量だけで強さを測る。そしてそれを見て油断した隙に相手を葬り去る。それが一流の魔法使いの一般的な戦い方の一つなのだ。

男は教卓の前に立つと、ゆっくりと教室を見渡した。


「静かに。私は魔法学担当、『エルンスト・グラーフ』だ。」


魔力の流れが一定・・・

やっぱり、この人魔力の流れをあえて見える様にしている。恐らく俺たちの実力を図っているのか・・・


「行き成りだが質問を問う。魔法とは何か?」


クラスがざわつく。そんな哲学的な質問をされても困るよ・・・

考え込んでいると隣でアランが手をあげた。それを見たエルンストはアランを指差した。


「アラン。魔法とな何だ?」


「武器です」


「不正解だ」


違うのかよ。


「魔法とは道具だ。それもただの道具じゃない。意思を拡張するための道具だ」


エルンストは淡々とそう言い切った。


「武器でもある。防御でもある。治療にもなり、生活を支える基盤にもなる。だが本質はそこではない。魔法とは、己の意思を、世界に干渉させるための手段だ」


教室が静まり返る。

あれ?この授業って魔法学じゃなくて哲学の授業?


「では、なぜ魔法が使えない者が存在するのか。答えは簡単だ。意思を世界に通す回路が未発達、あるいは閉じているからだ」


エルンストは黒板に簡易的な図を描いた。

人の形、その中心に円、そこから外へ伸びる線。


「魔力とは燃料ではない。触媒だ。意思を増幅し、現実に変換する媒介に過ぎん」


エルンストはチョークを置き、こちらを見た。


「魔法が使えぬ者であっても、魔法を理解することは可能だ。そして理解している者ほど、魔法使いとの戦いでは生き残る」


・・・なるほどね。

さっきアランの言っていたことを、より体系立てて説明した感じか。


「よって、この授業では魔法を()()()に、()()ことを教える」


そう言って、エルンストは射撃場側へと歩いた。


「まずは実演だ。危険はないよう調整しているが、無駄に騒ぐなよ」


指を鳴らすと、射撃場の的が一つ起動した。

次の瞬間


「「「「バチッ!!!」」」」


小さな音とともに、青白い光が走った。風でも水でも火でもない。これは純粋な魔力弾だ。

だが、俺は眉をひそめた。

威力は抑えられている。だがそれ以上に、魔力の()()()が雑だな。

いや、雑に見えるようにしているかもな。

的に当たった魔力弾は、表面を焦がすだけで消えた。


「今の魔法の属性、分かる者はいるか」


数人が首を傾げている。

両隣に座ってるアランもケルビも黙っている。

俺はあえて手を挙げなかった。


「・・・誰もいないか。では答えだ」


エルンストは軽く笑った。


「無属性だ」


・・・やっぱりな。セレナさんから聞いたことと同じだ。無属性の魔法は、扱いが最も難しく、最も応用が利く。だが同時に、最も力量を誤認させやすい魔法なのだということ。


「今の魔法を見て、私を三流だと思った者。正直に挙手しろ」


・・・うわ、悪趣味だな、この人。

だが、数人がおずおずと手を挙げた。その中に、前列の生徒もいる。

エルンストはその様子を見て、満足そうに頷いた。


「いい反応だ。では次だ」


次の瞬間、空気が、変わった。エルンストの魔力の流れが一瞬にして消え失せたんだ。いや、見えなくなったっと言った方が正しいだろう。

背筋に冷たいものが走る。これは・・・隠蔽じゃないな。魔法使いの極意の一つである完全制御だ。

まじかよ。あの人それを平然と行った。多分だけど技量的に魔力感知も扱える可能性が高いな。恐ろしい教師だよ。


「今から同じ威力の魔法を撃つ」


そう言った直後、音もなく光が走った。的が、一瞬で消し飛んだ。

爆音すらない。ただ、そこにあったはずの物質が、抉り取られたように消失している。

教室が凍りついた。


「これが、力量を隠した魔法使いだ」


エルンストは淡々と続ける。


「魔力が見える=強いではない。見えない=弱いでもない。今日覚えろ。魔法学とは、見えないものを読む学問だ」


その瞬間、彼の視線が一瞬だけ、俺に向いた。発動中にこっそり鑑定したことを気付かれた。ほんの一瞬。だが確かに、俺を観測した目だった。


「次回までに、魔力感知の基礎理論を頭に叩き込んでこい。実技は」


にやり、と口角が上がる。


「次の授業からだ」


学園生活最初の授業にしては、随分と物騒じゃないか。まあ、入学早々ルグが殺害予告してきたりと十分物騒なことに巻き込まれてるけど。

横を見ると、アランが小声で言った。


「なぁリュート」


「ん?」


「あの先生・・・やばくね?」


「同意見だ」


ケルビはというと、顔色を青くしながらも、目だけは必死に前を見ていた。

いいね。面白くなってきた。

俺はそう思いながら、エルンスト・グラーフという男の背中を、静かに見つめていた。

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