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土下座

【リュート】



まずいな。もし、寮で夕食食えなかったら、どこかの店で食わないといけなくなる。無益な出費は出したくないから、早く戻らないと。

そんなことを考えていると念話が来た。ルーベルトからだ。


ルーベルト:(リュート、一組の分のご飯は出ないって)


はい。終わった~・・・


ルーベルト:(あ、一応事情は説明したよ。そしたら、『そっちで好きなの食べて

       帰ってこい』ってさ)


リュート:(あら、生徒指導にはならないんだな。)


ルーベルト:(事情を話したからね)


リュート:(ありがと。どっかで飯かなんか奢るよ)


ルーベルト:(どういたしまして)


さてと、教師から許可下りたしどこで食おうかな?できるだけ安いところがいいよな・・・

財布と相談した結果、すぐ近くの大衆食堂にした。

とゆうか、学園近くの安いお店なんて此処ぐらいしか見つからなかったからな。お金は一応余裕があるけど、今後のために残しておかないといけないからな。


俺はそこの大衆食堂に入って適当に頼んで食べた。

その途中に冒険者のおっさん共に絡めれた。口から酒臭いにおいが漂っている。此奴ら酔っ払いかよ。

とゆうか、その中に僧侶が混じってんじゃねえか。


「一人飯かぁ。若いのに寂しいねぇ」


「色々あってね」


俺が短く返すと、剣士のおっさんはくっと笑った。


「はは、昔の俺みてぇだ。尖ってやがる」


斧使いのおっさんが「どん」と机に手を置く。


「まぁまぁ。若い頃はそういうもんだろ」


値踏みするような視線。

喧嘩腰ではないが、距離が近い。酔っぱらい特有の無神経さだ。

軽装のおっさんがにやりと口角を上げる。


「一杯くらい付き合えよ。若いのが一人で黙って飯食ってると、落ち着かねぇんだ」


「酒は飲まない」


一瞬、空気が固まる。

斧使いが眉をひそめ、剣士が口を開きかけ、


「おいおい、やめとけ」


そこで僧侶のおっさんが前に出た。

酒臭い息を吐きながらも、声だけは妙に現実的だ。


「ここは食堂だ。揉めたら追い出されるし、俺の説教が長くなる」


「坊主の説教ほど、聞きたくねぇもんはねぇな」


「まったくだ」


僧侶は苦笑し、俺を上から下まで眺めた。


「・・・しかし、いい度胸だ。この年になると、若いのの落ち着きってのは腹が立つ」


「僧侶がそんな感想持つなよ」


「生臭坊主だ。今さらだろ」


女好きそうな目で一瞬だけ俺の顔を眺め、僧侶は肩をすくめる。


「安心しろ。殴る気はない。酔っぱらいのおっさんが、昔を思い出して絡んでるだけだ」


「余計に質悪ぃな」


軽装のおっさんが笑い、剣士も頭を掻いた。


「・・・悪かったな、兄ちゃん。飯の邪魔だ」


僧侶は一歩引き、わざとらしく手を合わせる。


「聖職者としても謝っておこう。どうかこの愚かな中年どもを許してくれ」


「誰が愚かだ」


「全員だ」


四人はぶつぶつ言いながら自分たちの卓へ戻っていく。

僧侶だけが最後に振り返り、にやっと笑った。


「忠告だ。この街じゃ、若くて静かな冒険者は目立つ・・・気をつけろよ」


再び喧騒が戻る。

俺は煮込みを一口すくい、何事もなかったかのように食事を続けた。

そのまま俺は食事を済ませて店を後にした。


俺は学園の寮に戻った。

途中警備員と鉢合わせしたが事情を知ってたらしくすんなり寮に入れた。

寮は煉瓦造りになっていて古臭そうに感じたがよく見ると煉瓦にはヒビ一つ入っておらず、周囲の植物もちゃんと草刈りされていた。どうやらそこら辺はちゃんと手入れされているみたいだ。まあ、貴族もいるからそりゃそうか。

とゆうかさ、邪神(セラフィナ)の部屋で飯食ってたけど、異常なほど豪華だったな。なんなら一人部屋だったし。それは単純に彼奴が公爵令嬢だからか?それか普通に女子寮はどれもこんな感じなのか?もし後者だったら不平等すぎるだろと思ったけど、前者でも変わらんか。

それはそうと、俺は寮に入った。


「おせーんだよ!平民が!!!」


「グボハッッ!!」


突然飛び蹴りされた。誰かと思えば横暴貴族の『アルフォンス』だった。とゆうか結構ダメージ入ったんすけど!?今さっき、綺麗な飛び蹴りくらったし此奴もしかして強いのか?


「お前!!!どこで何してた!」


「おい!なんでいきなり飛び蹴りしたんだよ!!!」


()()()()()()()()!!!そのせいで、俺たちの飯の時間が短くなったんだよ!!!」


「あれ?ルーb・・・5組の奴が一人が来たよね?」


「そのおかげで!!!やっと飯にありつけたんだよ!!!」


「ゑ?それ・・・本当?」


「本当だよ!!!」


つまり・・・俺がギルドでジ○ジ○の長話してたせいで、1組は夕飯を楽しめなかったってこと・・・

それを聞いた俺はとある一種の謝罪を始めた。

正座して相手の正面に座り、背筋を伸ばし、そのまま両手を静かに前へ運び、指をそろえて床につける。

そして、腰から上体を深く折り、額が床に触れるほどまで頭を下げる。

これで分かるだろう。そう・・・土下座だ。


「申し訳ございませんでした!!!」


「ほう?すぐに土下座とはお前平民のくせにやるな。」


あれ?ゆるさr・・・


「だが、場所次第で許さん」


あ、終わったか?完全にこっちが悪いからな・・・


「それで、どこにいた?」


「ギルドですね。そこで冒険者ギルド総帥(グランドマスター)と・・・」


「・・・冒険者ギルド総帥(グランドマスター)とあっていたのか。・・・だったら許す!!!」


なんか許された。

・・・いやなんで何だよ。


「いいのですか?アルフォンス様。こんなの生きる価値などありませんが・・・」


「そうですよ!こいつをとっとと殺すべきです!」


「そうだそうだ!」


ほらやっぱり。お前の友人たち(取り巻きども)が黙っちゃいないんだよ。


「お前らは知らんと思うが、冒険者ギルド総帥(グランドマスター)は世界を導くSSランクの冒険者だ。そんな化け物に喧嘩を売る気はない」


「し・・・しかし」


「力があっても財力はこっちの方が上だ!」


また騒ぎ始めた。てか、あの男SSランクの冒険者なのかよ。ただのジ○ジ○ラーじゃなかったのかよ。下手したらスタンドやら波紋やら使ってきそうだな。

そう思っていた矢先、アルフォンスが口を開いた。


「お前ら、冒険者ギルド総帥(グランドマスター)の収入は公爵家の執事と大して変わらないらしいぞ?」


騒いでいら取り巻きが一斉に黙んだ。


「あ、ありがとう」


「言っとくが次は無い」


そう言い残し、アルフォンスは取り巻きと共に何処かへ去っていった。

俺は帰ってきたことをルグに報告した。普通に説教くらった。でも、「冒険者ギルド総帥(グランドマスター)と会ってた」と言った途端説教は終わった。そんな影響力がある人なのか・・・?


「え・・・っと、あの人そんなすごい人なんですか?」


「そうですね。今の冒険者ギルド総帥(グランドマスター)は英雄年代記に載っていますから。」


「英雄年代記?」


「詳しくは授業で教えますが、簡単に言えば世界規模で活躍した英雄が載った本ですね。」


そんな偉い人なんだ・・・まじで?

そんなふうには見えなかったんだが・・・


「それで、クロカワさんは何を成し遂げたんですか?」


「クロカワはそれまで無秩序だった冒険者ギルドの依頼、報酬、実力の差を等級制度・契約書・報酬規定という形で整理し、冒険者と国家、商人、国民の間に明確な線を引いた。その結果、冒険者はならず者でも傭兵でもなく、社会に必要な職業として認められるようになった。それが彼の偉業だ。そのおかげでこの世界の生活水準は飛躍的に向上した」


そんなすごい人だったんだな・・・

ギルドそのものの仕組みを変えて、冒険者を正式な職業として認めさせたなんて・・・

そのおかげで、俺やルーベルトでなくティオさんやセレナさんだってこうして冒険者として生活できていたからな。それがなかったら多分あの森で野垂れ死ぬか魔物の胃袋にいただろうな。

次あった時に改めて感謝を送らないとな。


「それで、風呂はいいのですか?もうすぐ組が変わりますが・・・」


「あ・・・ルグ先生、失礼しました~!!!」


俺は風呂に入ることをすっかり忘れていた。その為、俺は真っ先に男湯に向かった。

その様子を見て、笑声で呟いた。


「先生ってつけなくてもいいですよ。」

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