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守護の騎士達  作者: 藍本 彩夢


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1/3

始まりの時

 その日レイリーは、突然大きな騒めきを感じた。

空気を震撼させるような恐怖の念…そして多くの人達の悲鳴を聞いたような気がした。彼女の瞳から涙が流れ落ちた。

 彼女は悟った…多くの命がその時 消えた事を…

 (このままにしておいたら、また同じ事が起こる)

 彼女は思った。彼女は尊い命を護りたいと思った。多くの命を奪った大きな力と戦う事に恐怖を感じない訳ではなかった。でも彼女のどこかで、その力と戦うのは初めてでない事を教えていた。

 彼女は戦う事を決意した。

 しかし自分ひとりの力では動きがとれなくなる…そう思った彼女は情報網を組織している友人のケインの下を訪れ彼に自分の感じたままを話した。

 ケインは一瞬 レイリーの瞳を何かを探るように覗き込んだが、すぐに表情を戻した。

 (ケインは 何か 知っている。)

レイリーは直感した。でもその事には触れずに気づいた事も悟られないようにケインに言った。

 「ケインとケインの情報組織の力を貸して貰いたいの。依頼という型にすればいいのかもしれないけど、おそらく各自の命に関わる事になるかもしれない…だから無理強いをしたくない…断ってくれて構わない。」

 「わかった…俺はレイリーに協力する。俺から皆んなに伝えるのは簡単だが、俺が言う事によって一種の強制になってしまうかもしれない。レイリーが無理強いをしたくないと考えているのなら、彼らにはレイリーから直に伝えてくれ…」

 レイリーは頷いた。ケインは招集をかけると彼女をみんなの所に連れて行った。

 レイリーは挨拶をすると自分が感じたままを全て話し協力を頼んだ。

 「突然の話しで驚いたと思うけど考えてみて欲しいの。

  返事は二 三日したら聞きに来るから、それまでに決めてくれればいいわ。じゃ きょうはこれで…」

 レイリーが退出しようとした。

 「俺の答えは何日 考えても同じだから 今 返事をする。

俺はレイリーに協力する……生き場を失って メチャクチャな生活をして愚行を繰り返し愚行者と言われていた俺に何の躊躇いも無く手を差し伸べて此処へ連れて来てくれたレイリー…どうしようも無い俺を大きな気持ちで受け止め絡んだ俺の感情を少しずつ解いてくれたチーフ ケイン…

 俺は此処で俺の場所を見つけた…俺の生きていく場所を見つけた…そしてふたりは俺を今の俺まで引っ張り上げてくれた。

 俺は何時も思っていた。

 俺は何処までもふたりと一緒に歩いて行こうと…いつまでもふたりと共にいたいと…だからこそ俺は協力する。」

 「ありがとう ルイ」

レイリーは言った。

 「ルイ お前だけに イイ格好はさせないぞ!僕だって初めから気持ちは決まっている。幼い頃から僕は父の‥そして兄の歩いた道を同じように歩かさせられた。そこから一歩でもはみ出せば『お兄ちゃんのようにしなさい。お兄ちゃんができた事なのだから、お前にも出来るはずよ。我が家の子供なのだから…』そう言われ続けてきた。

兄には兄のカラーがあり僕には僕のカラーがあるのに、それは一切認められなかった。

 ひとつの事を成し遂げるにも色々な方法があるのに…父や兄がやった方法しか認められなかった。そんな中でも僕を僕という意志のあるひとりの人間として認めてくれた人もいた。

あの頃 その人といる時が一番充実していた。でもその人はどうしても事情があって旅立っていった。その時僕も一緒にどうかと言われたけれど、まだ十歳だった僕は両親から諸諾がなければどうする事もできなかった。

十五歳になれば自分の意志で行動する事ができる。それだけを目指して五年の月日を過ごした。待ち望んだ十五歳になった時、僕は家を出て此処へ入った。此処は僕を僕として認めてくれた…そこから新しい自分が生まれた。僕は今の僕に自信をもっている…そんなふうに導いてくれたふたり…僕は僕の意志で話しを聞いた時から決めていた。

 大きな流れの中にのみ込まれても構わない!僕は協力すると…」

 「ジョーイ…」

ケインはかみしめるように 彼の名を呼んだ。

 「何よ ふたりだけじゃないのよ…」

 「そうよ。あなた達だけじゃないのよ。レイリーとチーフに自分の生きる場所まで導いてもらって、自分に自信を持って生きていけるように成長させてもらったのは…」

 「そうだ!皆んなが何らかの形でレイリーに『やすらぎ』を貰いチーフに『逞しさ』を貰った。

それは俺達の中に蓄えられているはずだ何倍にもなって…いいや何十倍‥何百倍‥もっとかもしれない…こうしていても俺の中でフツフツと湧き出しているような そんな感覚さえしている…

 今度はその『やすらぎ』と『逞しさ』を分ける番なのじゃないかと俺はそう思う。だから俺はそれを多くの人達に分けて行こうと思っている。人によってそれは思いやりというやすらぎであり、勇気という逞しさかもしれない…またある人にとっては人の暖かさというやすらぎであり、生きるという逞しさかもしれない。こんな俺でもそれを多くの人に示していく事ができる。

 それが俺という人間が今まで歩いてきた証だと思う。

だから俺は協力したいと思っている…皆んなはどうする?」

 「決まっているじゃないか。」

 「協力する!」

 「もちろん」

 「チーフ!レイリーに協力する事に決定したってそう言ってくれればいいんです。」

 「二、三日考えてなんて言わないでくれよ レイリー」

 「そうよ。付いてきてってそう言ってくれればいいのよ…」

 「皆んな ありがとう…あたしは此処のメンバーじゃ無いのにそこまで言って貰えるなんて…」

 「ほらまた メンバーじゃないなんて そんな悲しい事いわないでくれよ…レイリー」

 「私達は皆んな‥そんなふうに思った事はないわ…レイリーは今までも これからもずっと私達の仲間よ‥ねえ皆んな…」

 「当たり前だろう…レイリーは僕達にとって姉のような存在なんだ。いつでも…」

 「そして その姉貴の感じた事が何時も現実である事を、僕達は知っている…」

 「その事に対してチーフの対処が的確である事もわかっている。」

 「だから俺達はふたりに付いていく…さあ チーフ…チーフの判断を俺達に伝えてくれ…」

 「わかった。決定を伝える。kzはレイリーに協力する事に決定した‼︎」

 ケインは言った。

 「さあ 姉貴も…」

 「ありがとう…ありがとケイン。そしてあたしの可愛い弟達、妹達…それじゃ あたしに付いてきて!」

 「オーケー」

皆んなの声が答えた。

 レイリーは皆んなの気持ちが嬉しく涙で頬を濡らした。

 












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