ⅩⅩⅣ話 次のステップ
「……今なんて言いました?」
「この子、魔王…なんよ 名前が…一緒なんよ、ロイド勇者が倒した魔王の名前と」
「あぁ、あの弱い人間か… 他の人と共闘しないと我を倒せなかった雑魚か」
「雑魚って、強そう感じだったけどな…」
「見た目だけじゃ あんなのガキとほぼ変わらん」
「というか、あっさり認めるんだな…」
「隠すつもりはない…主に言ってしまった以上すぐにバラされそうだからの」
「そうか…」
俺は、川にいある大きな岩の陰まで後退りし、隠れた。そして、大和さんへととあることを放った。
「どぉーーーするんでぇすかぁ‼」
『知らないわよぉ! 魔王倒されたはずなのになんで生き返ってるのかこっちも聞きたいわよぉ!』
「もうだめだぁ…おしまいだぁ……」
『で、でも、今はツカサさんにくっついてるみたいだし、危害を加えるってことはしなさそうじゃないかな…』
「そ、そうですよね… というか、どうするんですか…倒せって言われた相手が目の前にいるんですけど…」
『無理ゲーじゃない…あんなの…甘かった…ガトーショコラより甘かった…』
(あー、だめだこりゃ、大和さんネガティブモード入ってる…どうしよ)
「とりあえず、みんなのとこに戻りますね…」
『うん…』
今にも泣きそうにな声大和さんをそっとしておき、俺は三人の元へと戻った。その後、この魔王?をどうするか決めることになった。
「とりあえず、柊真さんのところで預かりますか?」
「それは困るよ… それに魔王を街の中に入れるのは国としても問題だろ」
「それもそうか… どうしたものか…」
「我はここに住んでも構わんがな 人は苦手だ」
「うーん、それでいいならいいけど…」
俺が頭を抱えているところにツカサさんが俺の目の前に袋を持ってきた。そして、その袋から取り出したパンを口に突っ込まれた。
「‼ プハァ… 何するんですか⁉」
「考えてばかりいても特に何もできない それに早く食べないと食べたく無くなるだろ?」
「そ、そうかもですけど…」
魔王のことは一度置いておき、とりあえずパンを食べて休むことにした。そして、食べ終えたのちツカサさんはあることを口にした。「戦ってみたい」と。俺は最初、魔王のことを言っているのかと思っていた。それはそれで、まずいだろと思った。しかし、ツカサさんは俺を指名してきた。何故、俺なのかと聞いても何となくと返されてしまい流れで模擬戦闘を行うこととなった。
「それじゃぁ僕が合図したら始めるのでいいな」
「了解」
「構わない」
「それじゃぁ行くぞ よぉーい、始め‼」
合図とともに、ツカサさんは一気に接近してきた。俺は、とっさに折れた刀を取り出してギリギリのところで受け止めた。しかし、あまりの力の差に俺は押し込まれそうになった。右手だけで何とか抑えているうちに素早く俺は、左の腰に装備していた、ガバメントを取り出し、4発、ツカサさんに向けて撃った。しかし、まるで読まれていたかのように全弾かわされ少し距離を取った。
(さすがに、まずいな…防戦一方って感じになりそうだ… こっちからアクション起こさないと)
M4A1を取り出しフルオートでツカサさんに向けてダッシュ回りながら撃ちこんだ。しかし、ものの見方にかわされ、切られかすることすらなかったが徐々に距離を詰めるとこが出来た。そして、ツカサさんの正面から真っ向から向かい全弾撃ちこんだ。そして、弾切れになった瞬間、俺はマガジンを放り投げその後すぐに本体も投げ込んだ。当たり前のように回避され、当たることは無かったがそっちに注意が言っているときに俺はあるところへ撃ちこんだ。そして、その弾はほんのわずかズボンをかすめた。
「チェッ! 外した!」
「狙いは良かったがモーションが遅いな 投げたと同時に撃ち込んでいたらもうちょっと当たってかもしれない」
「えぇーー もう当たる気しないですよ… ここまでしないとできないならどうしろって言うんですか…」
「さぁ? 自分で探したらどうだ?」
「それが見つからないから言ってるんですよ…」
(どうすっかな…打つ手無いぞ…作戦なんて元から無かったから思い付きでやったけど…)
次の攻撃方法を考えているとツカサさんは刀をしまった。それを見た俺は目を見開き驚いた。まだツカサさんの方から攻撃をしてこずに終わったので流石にわけがわからなかった。
「どうして戻すんですか? まだ、ツカサさんからは何もして…」
「いや、大体分かった…しばらく訓練でもしようか」
「え?」
「こっちに来て対人戦なんてほとんどやっていないだろう?」
「それはそうですけど…」
「凌牙に足りないのは接近戦だ 銃だけじゃ近距離戦はできない ナイフや刀の使い方について教えるからそのつもりで」
「は、はいぃぃ?? い、いきなりどうしたんですか! そんなこと滅多に言わないのに!」
「この世界じゃ、近接戦は基本だからな 魔法は当てにはあまりならない」
「おいおい、魔法が基本の世界で当てにならないはないだろう」
柊真さんが口をはさんだ。
「元々こっちに居る人間は良いだろうが、別の地球から来たんじゃ話が違う」
「それもそうだが…研究している方から言えば少なくとも使えるものではある」
「そうか… ならちょっとは気に掛けるよ」
「分かればよろしい」
「ということで、しばらく接近戦について教えるからそのつもりで」
「うそーん…」




