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ⅩⅩⅢ話 謎の少女

俺が二人のところへ来ると、黒髪ロングの少女は俺を睨み付けこちらに顔を向けてきた。視線をツカサさんの方へと向けると、ツカサさんは一つため息をし、少女に向かって話始めた。


「別に敵でも何でもない 心配しなくていい」

「あ、あのこの子は?」

「それが…」

「明け方頃、滝行を行いに来ていた時に、川の岩に引っかかってた 流石にびしょ濡れのまま放置するわけにはいかないから火焚いて、朝食にクレイドが教えてくれたパン屋に行った」

「だから、あの時すれ違ったのか… ところで、どうするんですか? 見た感じ、高校生ぐらいの身長には見えますけど…」

「俺も、どうしようか困ってたんだ」

「うーん、羽島さんのところに連れていきますか?」

「信用できるのか?」

「一応…」

「あ…あの…」

「ん?」「ん?」


俺たちが話していると、黒髪ロングの少女がツカサさんの服を引っ張り何か話したそうにしていた。声がか細いので、耳を近づけて話を聞いた。そして、聞き終えたのち俺に内容を話してくれた。


「それでなんて?」

「『我を助けてくださりどうも 貴方には感謝している』だそうだ」

「普通にお礼言ってた なんか、大事なこと言うかと思って……ブホォォォ‼」


一言、ただ一言言っただけだったのに、少女が俺にものすごい勢いのグーパンを顔面に決められ滝の方まで吹っ飛ばされた。滝の裏に激突し、そのまま仰向けでボゴボゴと泡を吹きながら川の流れに乗って戻ってきた。


「なんで急に殴んだよぉ‼」

「主、なんでそうも簡単に、訳の分からん奴にやなすんだ!」 「おーい」

「一緒にここまで来た仲間だし、いいかなと思っただけだが…」 「きーてんのかー」

「詰めが甘いのぉ どんな奴にも警戒を抱くのが普通じゃろうに」

「警戒って、仲間にもか⁈」

「そうだ 仲間なんぞ、所詮、都合が悪くなれば切り捨てられるだけだ」

「そんなことは…」

「断言できんだろう! 何もわからんただのガキが」

「なんだとぉ‼」


俺は、流石にカチンときたので腰につけていた、45口径の方のガバメントを少女へと向けた。少女も少女で右腕を真上へと上げた。そうすると、どこからともなく死神が使ってそうな大鎌を取り出した。鎌は、鎌なのだが刃が二段になっており、上段は柄から100センチ弱ある刃で下段は、30~40センチほどの刃が内側にあり、柄に近いほどその幅が縮まっている。そして、中央には鎖が付いており、鎌と逆サイドは包丁のような形状であり、あごの部分が少し伸びており尖って刃が付いているいる。


「おいおい…完全に接近戦主体の武器じゃないか…」

『どうするのよ‼ 銃じゃ接近戦なんかは不利じゃない!』

「とりあえず、ナイフは生成魔法で出せるけど…心もとないな…」

『そうだ! あれならどう?』

「え?」


俺は、大和さんが思いついたアイデアを聞いてみることに。接近戦のことについてのアイデアだが、俺はほとんど接近戦をやったことがない。だが、この状況を見る限りやらざるを得ない。思考を巡らせている最中、先に仕掛けてきたのは少女の方だった。一瞬にして、俺の間合いに入ってきすね辺りへと鎌を振ってきた。


「おい嘘だろ! マジか‼」


とっさに、左足で地面を蹴り、右足で相手の鎌を土台とし後ろへ飛んだ。飛んでいる最中、5発を少女の身体へと発砲したが、あっけなく防御された。体制を直し、ストレージからショットガンを取り出した。さすがに、無数に飛んでくる弾を防御し切れるとは思えない。そう考え、構えた瞬間…


『8時の方向に回避‼』

「はっ‼」


大和さんの声が聞こえ、とっさに言われた8時の方向に回避した。そうすると、目の前に大型のナイフが飛んできた。そして、そのナイフは、近くの木へと刺さった。


「おいおい! これ、鎌に付いてたやつじゃないか! しかも、鎖が付いてるってことは…」

「まさか、避けるとは…ちょっと侮ってたかもしれない ここから、本気で!」


少女の雰囲気が変わった瞬間、川の向こう側から、「なぁにやってる、バカヤロー‼」と、聞き覚えのある声が聞こえた。その方向に目線を向けると、白衣を着た男が腕を組んで仁王立ちしていた。


「お前ら、気は確かかぁー‼ いいから、戻ってこぉーいぃ‼」


俺は、銃を下ろし、少女も鎌の方を引き、ナイフの部分を引き寄せて戻していた。そして、ツカサさんの元へ戻ると、目の前に柊真さんの姿があった。そして、二人ともグーで殴られた。


「お前ら馬鹿なのか? あんな子供っぽいことで喧嘩しやがって…」

「すみません…」

「すまぬ…」

「それに、ここはハベーヌに近い距離にあるんだからドンパチされちゃこっちも困るんだよ」

「ごめんなさい…」

「すまなかった…」

「とりあえず、良いけど… ガキじゃないなら、それ相応の行動ぐらいできるよな?」


俺は、立ち上がり柊真さんと少女に向かって深々と頭を下げて謝罪した。少女の方も、頭を下げて謝ってくれた。


「これで一件落着だな ツカサくんはなんで止めなかったんだ?」

「勝手にやらせておくべきだと 状況が悪化すれば止めていたが」

「そうか… ところで、君の名前を聞いてなかったな」

「主にしか、教えません」

「カリナ・ヤマナシ」

「なんでそうペラペラと話せるんだ、主は‼」


その名前を聞いた、柊真さんは目を見開いていた。そして、驚くべきことをあっさりと喋った。


「マジかよ…魔王やんけ…」

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