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ⅩⅩⅠ話 涼奈さんの過去

始まりは、いつだったかしら…毎日が楽しかったあの日…親に剣の腕を叩き込まれていた日…そして、人生最悪の日…

わたくしは、いつものように剣術をお父様から叩き込まれていました。当時は、辛くもありましたがこれがそのうち、自分のためになるんだと思い込んで励んでいました。稽古では、厳しいお父様も普段の生活では心優しい方でした。そんなお父様でさえ、わたくしは手を掛けてしまった。


「お前には我の力を受け止めれるほどの器がある 光栄に思え そして我の分まで戦い続けろ」


夢の中で見た光景、最初は、わたくしもよく分かっていなった。でも、すぐにそれを知ることになった。


「涼奈、涼奈!」

「ん…どうしたの? お母様…もう朝ですか?」

「違います‼ 今すぐここから逃げますよ!」

「どう…して…?」

「魔人が現れたのよ! 今、お父様が相手をしていて、時間を作っているの 今のうちに逃げますよ! お兄様や何人かも一緒に今逃げています だからあなたもすぐに行きますよ‼」

「お父様が⁈ 今すぐ助けに行かないと‼」

「駄目よ‼ 逃げないと、門番たちのように殺さてしまいます‼」

「いや‼ お父様を見殺しなんかにできません‼」


わたくしは、お母様が掴んでいた手を振りほどき、お父様のところにへ急いだ。いくつか、部屋を確認していった。そして、部屋の奥が赤く熱くなっているところを見つけ障子を開けたら、お父様と炎の魔人が戦っていました。


「お父様‼」

「涼奈‼ 来るな‼」


すぐに応戦するつもりだった、でも足がすくんでその場から一歩も動けなかった。逃げ出したい気持ちと何が何でもお父様を助けたい、そんな葛藤をしているときに魔人がわたくし目掛けて魔法を放ってきた。それを庇う様にお父様が背中で攻撃を受けた。


「お父様‼」

「だい…じょうぶ…か…? にげ…ろ…」

「いや! お父様を置いていけない‼ わたしのせいで…」

「いい…んだ…涼奈が…いきて…いれば… だから…」

「もう喋らないで! もういいから… あの魔人…殺す…殺してやる…!」


どこからともなく、わたくしは真弥刀を取り出して、切りかかった。とにかくただ荒く、流儀も何もかも捨てて感情のまま切りかかってた。そして、何かがプツンと切れて能力の暴走が起こった。気づいた時には、周りには何もなく魔人もお父様もいなかった。残っていたのは、瓦礫と血まみれになったわたくしだけだった。様子を見に来たお兄様たちから、お前が親父を殺したと言いがかりを掛けられ、怖くなって逃げ出した。とにかく、誰もいないところに…


数年前経って、逃亡生活にも嫌気がさしてわたくしを探していた、隊のところに行った。そして目の前で、真弥刀を自分の心臓に刺して自ら封印した。そして、その刀はお母様の元に渡った。


涼奈さんは、話し終えると湯呑に入れていたお茶をすすった。


「これがわたくしの昔話…最悪の人生でしょ?」

「泣いていいですか…ぐすん」

「もう泣いてるじゃない…ほら、使って」

「すみましぇん…」


涼奈さんから手ぬぐいを借り、俺は涙をぬぐいだ。


「すみません…借りちゃって、洗って返しますね」

「そうですね 分かったわ」

「それで、さっきの話なんですけど結局、力のせいで色々失ったってことですか?」

「簡潔に言ってしまえば、そうね あの日、わたくしに与えられた能力は3つ 元々持っていたのと合わせると4つ」

「能力? 魔法じゃなくて?」

「わたくしたちが、居た世界では魔法じゃなくて異能力って言われている 大した違いは無さそうだけど それで、元々持っていたのは身体強化系」

「ほうほう」

「3つのうち1つが、原子・構造改変」

「原子・構造改変?」

「物質とか細胞の原子・構造、それ自体を思うように操作したりできるの 例えば、これとか」


そういって、近くに置いてあった和菓子の袋を右手に取った。そして、左手の人差し指で袋に一瞬だけ触れると袋は一瞬のうちに扇子にへと姿を変えた。


「え⁉ さっきまでただの袋だったのに!」

「そう、これがわたくしが与えられた能力の一つ… 使いようによっては、人でさえ殺めることができる」

「えっ…」

「この前、勇者を襲ったやつの仲間にこの能力を使いました 実際、相手が面白くなかったから使ったんですけど」

「そ、そうなんですか…」

(なんちゅう理由で使ってるんじゃ…)

「他のところは、そのうち話していきますわね」

「分かりました すみません、急に部屋になんか入ってきて、話までしてもらって」

「いいんですよ 久しぶりにこうやって話せるのもいいですからね」


涼奈さんは、敷布団を引きツカサさんの身体を休ませるために早めに寝た。そして俺は自分の部屋にへと戻って来ていた。


「うへぇ~ まだ肩痛い~ 湿布張ったらマシになるのかな~?」


ベッドの上で仰向けになっていると大和さんからはなしかけられた。


『おーい、今大丈夫そう?』

「いいですけど、何ですか?」

『いや、昨日の地震についてちょっと気になってさ なんだか嫌な予感がするし』

「嫌な予感? 俺的には何にも感じないけどな 大和さんってそうゆうの分かる系?」

『昔からそうゆうのは当たる方だとは思うけどな~』

「神って、人間みたいのとこあるんだなぁ」

『まぁ気にしないってことで』

「いいですよ それはともかく、地震は気になるから柊真さんに聞いてみるか」


そうして、俺は柊真さんがいる研究室に向かっていった。

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