ⅩⅦ話 謎の軍人
クレイド宅・・・
「遅くねぇか? とっくに時間は過ぎてるんだがな…」
「道に迷ったとか?」
「まぁあり得なくもないか 広い上に入り組んでるからな しゃーねぇ、探しに行くか…」
二人で、外へと出て凌牙を探しに向かった。家の一番近い噴水時計や城に近い噴水時計に探しに行ったものの居なかった。20分ほど探して12時の方向に城が真正面に見える噴水時計に座っていた。
「ほんとにどこ行きやがった… どこにもいねぇぞ…」
「ちょっと」
クレイドの肩を人差し指でつんつんと突き、城が見える方向の道にいた人を指さした。指を刺した人は二人居り、一人は黒いスーツを着た男と首根っこを掴まれて引きずられている見覚えのある男がいた。
「離せって! 俺はそんなの知らないって!」
「……」
「なんか言え!!」
「おったぁぁ!!!」
「なんか掴まってる…」
「噓やろ… 捕まってるんや… 万引きでもしたんかぁ?」
「連れ戻してこようか?」
「……いや、やめておいた方がいい…あのスーツ着たやつ、あいつはこの国の分隊長だ…下手に手を出すわけにはいかねぇ それに俺のよく知ってる奴だ…」
「なら尾行でもするか… 基地ぐらいあるだろう、そこで話を付けてもらえば」
「やるだけやるかぁ ツカサちゃんがそう言うなら」
そうして、俺らは凌牙の跡を付けた。付けている途中、凌牙は明らかにこっちが尾行しているのがバレていて「何をしてるんや…」と言わんばかりの表情をしていた。
何分か引きずられているうちに、有刺鉄線が引かれている基地的なところに連れ込まれ建物の中にへと入っていった。
(うわぁ~ 街中にいた兵がめちゃくちゃ居る… 他には、軍服着た人もいるな… やっぱりここ軍隊の基地やん… 終わった…)
『完全に終わったわね 下手に何かしたら即刻処刑…逃げ出したりしたら、即刻国際指名手配…オワタ』
「取調室借りるぞ」
「は、はい!」
首根っこを掴んでいる男が近くの受付的なところにいた人に話しかけていた。そして、俺は取調室に連れ込まれた。
「イテ! ちょっと乱暴じゃないかぁ⁈」
「持ってる武器を全部出せ 余計な動きでも見せればまずは右腕を撃つ」
「……分かった……」
俺は、渋い顔をしつつも男の要求を仕方なく飲んだ。ベルトに付けてあったStaccatc Pとヘルム出発前に生成したColt Combat Unit Rail Gunを机に置き、それぞれのマガジン3本ずつ出した。そのまま続けてM4A1やショットガン、スナイパーライフルタイプのモシンナガンをストレージから取り出した。取り出した時、その男はあっけにとられていた。
「これで全部だ」
「…なぜこんなものを所持している この世界で銃器はそもそも存在せず作るにも…」
「生成魔法で作成した、って言えば分かるか? それに俺は転生者だ」
「なるほどな…」
そう言うと、男は持っていたGlock 18Cを脇のホルスターにしまい、机に置いた拳銃を調べ始めた。
「お前の18c、どこで手に入れたんだ」
「作成してもらった、転生者の科学者に頼んでな 出来としては十分だ」
「科学者…もしかしてクレイドさんが言っていた科学者と同じ人なのか?」
「クレイド…はぁ…あいつか…」
男はため息をつき、持っていた拳銃を置いた。
「あまり良いやつだとは思ったことは無い 酒を飲めば愚痴ばかり話す」
「ま、まぁそうだろうな… ところで話は変わるがあんた誰だ」
「羽島 秋晴、ここでは第三部隊隊長の名を受けている」
「た、隊長⁈ 嘘だろ! だって、俺とほとんど年変わらなさそうな見た目してるのに…」
「お前と比べられてほしくないな くだらん」
「ん゙…」
「ところで、何故あのビー玉を持ってたんだ リベイド博士を襲って奪ったのか?」
「誰だよ、その博士とやらは」
「とぼけるなよ それじゃぁ何故、あれを持っていたんだ」
「それはこっちのセリフだ!」
「…研究所に侵入していたやつを捕獲した時に回収した あれは二つあると言っていた」
「あのビー玉が二つ?」
入ってきた扉の方からノックをする音が聞こえ、羽島は入室を許可した。入ってきたのは受付にいた人でどうやら羽島に会いたいという人が来ているらしい。羽島は席を外して取調室から退出した。
「はぁ…やっと出ていった…」
『大丈夫そう? 結構しんどそうだけど?』
「そりゃしんどくもなりますよ…」
『あの人、拳銃持ってたけど…もしかして転生者か転移者かな』
「その可能性は十分あるかも しかも、扱いなれてそうな感じだったし、あまり刺激しない方がよさそうな感じだな」
『それもそうよね… とりあえずこれからどうしましょうか…』
「下手に脱出なんかできるわけないし…どうしたものかぁ…」
「へぇ~ 神と喋れる子供か~ フフッ面白いな、興味深いよ」
「え?」
部屋の後ろから声が聞こえ、その方向にへと体を向けると一人の男が壁にもたれかかり腕を組んでいた。
「誰だ!」
「おぉおぉ~ そんなに興奮しないでください こっちは交戦なんか望んでないよ~」
「それじゃ何のために…」
「まぁ君にある助言をしに来たんだよ」
「助言?」
「もうすぐ、厄介なものが君たちを襲いに来るよ 二つほど」
「厄介なものが二つ?」
「一つはもうすぐかな もう一個は、まだ先だけど」
「はいぃ⁇」
「まぁすぐにわかるよ それじゃあの子にもよろしくね」
「あの子? というか本当に誰だよ」
「子供ってのはよく質問するな~」
「子供じゃねぇよ 日本の法律上は18で成人だ つまり大人だ」
『…そこぉ⁈』
「二ホン…ああ~! 日本か! この世界は日本の転生者、転移者が多いよね~」
「はぁ⁇ 話しそらすなよ!」
「わかったわかった! それじゃちょっとだけ、四近神の1人って言えば分かるかな?」
「四近神⁉」『四近神⁉』
「それじゃあ、そろそろ行くね ヴァルザスで待ってる…よ…? お!」
四近神の男が何かに少し驚いていると、地面がわずかに揺れた。そこまで揺れてわけじゃないが軽く揺れてるなと思うほどだった。
「な、なんだ? 地震か?」
『いや、そんな感じじゃない…何か恐ろしいものが感じられる…』
「恐ろしいもの?」
「それじゃあね~」
「あ!ちょっと!!」
揺れは止まりその時にはもう、男の姿は無くなっていた。そしてすぐに入り口の方から羽島が入ってきた。羽島もさっきの揺れのことに関して気にしていた。
「なんだったんださっきの揺れは… ところでお前の方は大丈夫か?」
「ああ、案外優しいんだな」
「容疑者が負傷するのがめんどくさいだけだ」
「なんだその理由…」
「とりあえず、お前を釈放する シューメルの知り合いといわれて、上にも解放しろと言われてな」
(ありがとうございますーーー!!!! シューメルさぁぁぁん!!!!)
「最後に聞くが、リベイド博士のことは知らないんだな」
「だから誰だよ」
「ある組織に利用されている博士だ 捕獲した奴からの話だと、2週間ほど前に組織の施設から逃げられヘルムにへと逃げていたと、その際ビー玉を持って逃げたと言っていた。だがその博士も数日前に組織に捕まったらしい」
「なるほどな、それで…」
「話は、それだけだ さっさと行くんだな」
そうして俺は釈放され受付で待っていた二人の元にへと向かった。




