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Ⅹ話 勇者ロメオ

討伐祭前日、俺は城にいた。なぜかというと、シューメルさんが兵の訓練を行っているからだ。どうやら、討伐祭に向けて叩き込んでほしいと隊長のフォルドさんが頼み込んだらしい。シューメルさんもビシバシやっていた。ちなみに今は・・・・・・


「そこ‼ 踏み出すタイミングが遅い‼ もうワンテンポ速く‼」

「はい‼」


ツカサさんと模擬戦闘を行っている… しかもツカサさん、大分ハンデしてるみたいだった… ちなみに、俺はというと…城内をうろつきまわっていた。執事さんにいくつか聞いて気になったところを見て回っていた。


「ほへ~ ここが食堂か~ テーブル長いし天井たけぇ~」

『随分楽しそうね~ そっち側で見てみたい』

「そっか、大和さんはルール上こっちに来れないんだよね」

『うん でもそんなに気にしてないから』

「そっか」

『それにしても絵に描いたような部屋ね~』

「ええ、住んでみたいですよ でも高嶺の花ってやつですよ」

『そうね~』


そんな話をしながら、俺は二階の廊下を歩いていた。討伐祭前日ということもありメイドさんはとても忙しそうにしていた。そんな時、俺は扉から出てきた人とぶつかってしまった。俺は例のごとく尻餅をつき、こけてしまった。


「だ、大丈夫かね」

「す、すみません 前ちゃんと見てなかったんで」

「気にすることは無い 立てるか?」


そう言い、手を差し伸べてくれた。その手をつかみその人は引き上げてくれた。


「あ、ありがとうございます あれ、あなたって確か勇者・・・」

「そう、勇者ロメオことロメオ・ヴァルフェロッサ 以後お見知りおきを」

「俺は、リョウガクギヤです よろしく」

「よろしく クギヤ すまないがシューメル隊長のところに行かなくてはならないので、これで」

「わ、分かりました・・・」


そうして、ロメオさんはそそくさとシューメルさんのいる広場にへと向かった。その後俺は、広場がよく見える二階の窓から訓練を見ていた。広場には、シューメルさん、そしてさっきぶつかったロメオさんがいた。


「お久しぶりです シューメル隊長」

「久しぶりだな ロメオ いや、今は勇者ロメオといった方がいいかな?」

「ロメオでいいですよ 相変わらずのようで」


そう言い、ロメオは握手をするために左手を出した。シューメルさんが、左手を出した瞬間・・・


「うわぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「はぁ…まだいけるか?」

「無理ですー!」

「どうしたんだ?」


シューメルさんは、ツカサさんが相手をしていた人のところに行った。


「この人強すぎますよ! 一体誰なんですかぁ!」

「うちの喫茶店で人気の店員だが?」

「ちょ、ちょっと!」

「え! 喫茶万事屋のツカサちゃん⁉ なんで気づかなかったんだろぉ~ やっぱ店の服じゃないからか?」

「え??」

「もうそんな噂回ってるのか?」

「喫茶万事屋で可愛い子がいるって街中噂が飛び回ってますよ ファンクラブもできてますよ~ ちなみに会員番号2番です」

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙・・・」

「意外だったな じゃねぇよ!」


「まじかよ…」

『あの子、意外とかわいいからうけたのよ、きっと 羨ましい…』


そんな話をしているところロメオさんがやって来て、ツカサさんと何か話をし広場で何かが始まろうとしていた。気になったので、俺もそのまま見続けた。どうやら模擬試合らしい。


「ルールは単純、相手の急所に刃先を近づける それでいいか?」

「いいよ」


「大丈夫なんですか? 両方、本物の武器を使ってるんですよ 木刀とかじゃなくて」

「心配ないよ その辺は、配慮するさ」


「それじゃあ始めようか」

「了解」


「模擬試合・・・開始‼」


合図で最初に踏み出したのはロメオさんだった。ツカサさんは動くことなく仁王立ちで構えていた。ロメオさんは、ツカサさんの立っている右側に回り一気に横に剣を振った。その刃先は、腹めがけて進んだ。しかし、それは腰に掛けていた鞘によって防がれてしまった。すぐに、体制を整えなおし次は背後から狙いに行った。刃先が首元に近づいた瞬間、ツカサさんは右方向にへと回転しロメオさんの首元に刀を向けた。その動きは一瞬でロメオさんでも追えていなかったように見えた。しかし、それぞれ首元に刃がほぼ同時に近づいたので・・・


「そこまで‼ この試合・・・引き分け‼」


「流石というしかないね 一撃で終わらせるつもりが一歩も動かず立ち回られた君に負けるとは」

「まぐれだ…」

「フッ…そうか…まぐれか…」

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