第四節 イブキの修学旅行その3
第四節 イブキの修学旅行その3
イブキを含むあーだこーだ高校の一行は、修学旅行宿泊一日目のホテルに到着した。教師が口を開く。
「部屋によれば、海が見えるらしいぞ。良かったな」
「おおー」
「やったぜ!」
生徒達は歓喜した。
「センコーも中々、良いチョイスをするじゃあねぇか」
イブキもそれを称賛していた。
そして、イブキが泊まる部屋にて――、
「まずは窓の向こうをチェックだー! それー!!」
イブキは意気揚々とダッシュで窓ガラスを開けた。すると、
「バァーン!!」
謎の壁がそびえ立っていた。
「オッラーン!!」
――、
「それにしても、一緒の部屋で良かったね」
「ねー」
部屋には佐伯さん、常盤さん、女子Aそしてイブキが割り当てられていた。
部屋は机一つと、それを囲んだ椅子が四つ、それとテレビが一つある、和洋室となっていた。机の上にはティーパックと湯呑みが四つあり、テレビの横にはポットがある。布団は夕食中に中居さん的なスタッフが手配する様だった。
「ねー、何持ってきた?」
イブキが先陣を切って口を開いた。
「んー、特に何も。着替えくらいかな?」
「私も」
「あ、私も」
常盤さん、佐伯さん、女子Aは答えた。常盤さんが逆にイブキに問いかける。
「イブキは何か持ってきたのー?」
「ふっふっふー、アタイはだな……」
「?」
ハテナ顔の三人。出し惜しみする様にカバンに手を入れ、しばらく間を開けたイブキは、遂にカバンから手を出す。
「トランプ、UNO、ピザ〇テト、ボケもんだ!!」
『おおー』
「てか、ピザ〇テト何袋持って来てんの? あ、ボケもんは私も持って来てたわ」
「ええー、常盤さん。私はやっぱり何も持ってきてないよー」
「そうなの佐伯さん、私は実はUNO持って来てた。被っちゃったね」
「ふっふっふー、夜が長くなりそうだゼー」
「ピロリロリ、ピロリロリ」
『!?』
部屋にあった電話が鳴った。
「ガチャ」
イブキが電話に出る。
「俺は宗教になんかに興味ねーんだよ。二度と電話してくるんじゃねぇよ」
「……何言ってんだ?」
電話主は担任教師だった。
「夕食の準備ができたから、1階の梅の間に集まるように。ガチャ……」
イブキは振り向き、言う。
「てめえら。飯の支度が、出来た様だゼ」
『おー!』
一階の梅の間にて行われた食事は、沖縄料理だった。少し苦いゴーヤチャンプルーが特徴的だった。次いで、風呂を済ませて部屋に戻ると、布団が敷いてあった。
「イヤッホーイ! ふっかふかの布団だゼぃ!!」
イブキは布団に飛び込むと、ゴロゴロ回転し、全ての布団に風呂上がりの自分のにおいをつけていった。
「ちょっとぉ、イブキはしゃぎ過ぎ」
「イブキさん、元気だね」
常盤さんと佐伯さんは口々に言う。
「おおっとぉ! 忘れえるとこだったゼェ!!」
「?」
「??」
「修学旅行の夜といえば、コレだぁ!!!!」
「タァン!!」
イブキは机の上に、UNOを叩きつけた。
「おお、やるか」
「わぁ、何だか久しぶり」
4人はUNOをする様だ。
――、
「あ、UNO上がり」
「!!!?」
「イブキ、弱過ぎー」
「何でだろうねー?」
「わなわなわなわな」
イブキは怒りで身体が震えていた。
「次ィ!! 大富豪で勝負だ!!!!」
――、
「ハイ、上がりー」
「またイブキさん残っちゃったね」
「畜生ォオオ!! 完全体にさえなれば、完全体にさえなればアタイは!」
「ハイハイ、(何でセル?)ドベだからトランプくってね」
「クッソォオオ……!!」
イブキは何かに気付いた。
「者どもォオ! 隠れろォオオ!!」
「バタン」
「スピー」
「スースー」
「声がしたような気がしたが……寝ているみたいだな」
教師が見回りで現れたが、イブキ達は神速のスピードで灯りを切り、寝たふりを決め込んでいた。
「……次の部屋、回るか……」
「バタン」
「……」
「……」
「……」
「……」
「ふー、危なかったね」
「修学旅行特有のスリルだったぜー」
「私はもう、味わいたくないスリルだったよぉ」
「てか、誰が電灯切ったの? 動き早過ぎ」
常盤さんとイブキ、佐伯さんに女子Aは口々に言った。
「あー。でも何か、灯り切ると……」
「……ねー。もう1時だし」
「ふわぁー」
「アタイは眠くなった! よって、寝る!!!!」
4人は流れで、就寝する様だ。
こうして、イブキ達の修学旅行一日目は、トラブルがありつつも、何とか終わる様だった。




