ページ9 絡まったイヤホンコード
カバンからカセットプレーヤー
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休み時間中 少し尖った心、静まるように
と思ったら だしたイヤホンは絡まったまま
ほどいてほどいて ほどくのに 苦戦中
こうも イヤホンコードとは 絡まるのだろうか
ほどいている間に わたしの心は絡まっていくようだ
絡まった心と尖った心
だんだんと もう心も ほどけなくなるのでは
きっと、このコードと同じように なんて
するとタタッとかけてくる足音
なにか聴いてるの?
ロックとか、Jpopとか
いやその前に絡まってて イヤホン
イヤホン貸して
あっという間にほどくと 片耳にイヤホン
もう片方のイヤホンは いいらしい
置いてあるプレーヤーを もちかえて
肩がふれる 顔が近い 優しい笑顔
うしろから声がする、なにか聴いてるのー
陸上の子だ、たしか
あ、ごめん、呼ばれた とイヤホン片方を
はずして きみは向こうに
音楽一時停止して、フッと振り向くと扉のかげ
ごめんの2回め
手のひらには片側イヤホンが 手から受けとったまま
けれど、今度は尖らない この心
絡まった心は もうほどけていたらしい
きっときみのおかげ
戻ってきたらありがとう、言おう
それから、きみのおかげだよ
絡まっていた心もコードもほどいてくれた、そのきみの存在のおかげで、いつも学校生活をなんとか送れていたよ。という感謝を伝えるようなエッセイにしました。音楽をきいていて、呼ばれていってしまう、という話しは実際は中学ではなくて高校のときのエピソードですが、中学版として創作してみました。