大体の創作物にある説明回みたいなもの。これがあからさまだと読んでて冷めるよね。頼む燃え上がりやがれください。
さて私、自称学年で3番目くらいには美少女こと、赤嶋由紀が女王にしごかれている瞬間、この異世界では、およそ十数年後と予想されている魔王と勇者の復活に向けた準備が進められている。
なぜ十数年後の復活の準備をしているのだろうと今思っただろう。モチロンちゃんと理由があるのだ。魔王と勇者の戦いは数百年ごとに発生する。
それは神が決めたこの世界の理であり、不変である。そして彼等の戦いは、世界を巻き込み、力を持たない者たちを容易く巻きこみ、蹂躙する。
彼らの存在しない時代でも人間同士の力の争いが様々な所で起きている。
そして、勇者と魔王の争いは災害そのものであり、人類も魔族も、当人の意思と関係なく争いに巻き込まれることとなる。
よって争いはさらに増えることになり、世界の穢れは増加する。つまり魔物の力が増してしまうのである。
つまり魔王と勇者がいるこの世界で生き抜いていくには、魔物や魔族に対抗するための、ある程度の力が必要なのである。
そして力というのはすぐに身につくものではない、それは物理的な力でも、金銭的な力でも、政治的な力であってもである。
この世界の国々は勇者と魔王との付き合い方によっては、彼らが消えた後でもこの世界で影響力を持てるため、国の存亡をも掛けて勇者たちとの関係を構築していくのである。
よって、モチロン積極的に関わる国もあれば、『触らぬ勇者にたたりなし』と関わらないように息をひそめる国もある。
そして今、世界で行われている準備とは、勇者と魔王の復活に向けた若者達の戦闘能力育成と、強化されるであろう魔物に対抗するための防壁の再構築と補修である。
特に力を入れているのは、過去の勇者たちの行動の研究である。
勇者と魔王が人々を争いに巻き込んでいるのならば、争いをさせなければ良いと考えた人もいるだろう。しかしそれは不可能なのである。
それは、この理は神が定めたものであるからだ。勇者はどんなに病弱であっても魔王と戦うし、魔王はどんなに憶病でも魔族以外を滅ぼそうとする。
それは世界の絶対の理であり、運命の歯車によって必ず戦乱は巻き起こる。
そしてこの理以外にも争いがなくならない理由があるのだ。
それは戦争によって利益を上げる者たちの存在である。それはこの世界の歪さそのものでもある。
勇者と魔王と良好な関係を築けた国はその後の世界に大きな力を持つ、大きな力というのは人々を容易く狂わせてしまうのだ。
得た力を失いたくない国は戦いを止めるどころかそれを助長する、それが破滅に繋がる可能性があっても。
そんなこんなの理由で、この世界は数百年おきの大戦争を起こすのである。
たとえ力を持たない子供や老人が飢え死に、理不尽な暴力に悲鳴を上げていても世界は止まらない。この世界は、あらゆる力を持って戦わなくてはならない超実力主義世界なのである。
そしてこの狂った世界を生き抜くために、私は力をつけなければならないのである。まずは私自身の種族を安定させなくてはならない。
本当に岩と氷の弾丸を避けるだけで体を精霊体とやらに変換できるようになるのはわからないが、私は絶対に習得するつもりである。
なんと精霊体は精霊術以外の影響を受けない鉄壁の守りらしいのだ。やはり異世界といえばチート。相手の攻撃が当たらないなんていかにもチートである。実に習得が楽しみだ。
ジジジッジジッ… 汝、世界に従え、汝、理に従え、汝、神に服せ ジジッジジジジッ
「なんか今言った?」
「あらあら、おしゃべりなんて余裕なのね。そろそろスピード上げてもいいかしら?」
ズガガガッズガガガガガッガガガガガガ
「ちょっまだ全然っ ひぃええええええええええ」
何か聞えた気がしたんだけどなぁ 気のせいかなぁ… っと集中集中!
高速で飛んでくる岩と氷に違いなんてものはない。私の後ろの草木は粉微塵に砕かれている。今のところ私の体が変化している様子もなければ、避けれるようにもなっていない。
もはやひたすら目の前で消えていく死の礫たちをなんとなく避けようと、体を傾けているだけである。最初から飛ばしすぎだと文句も言いたくなるが、なんか目が怖い。キマッテル。
アレは逆らっちゃダメなタイプの人間だ、精霊だけど。
あーあ、カップ麺食べたいなぁ。普通の高校生なら親の手料理なんて言うんだろうけど、残念!私に親と呼べる存在はいます。
いま、いないって言うとおもった?残念!!います!!普通にいい両親だった。怒りっぽい母に、気弱で尻に敷かれている父、普通の家庭だった。
ただ私がカップラーメンが好きだっただけだ。紛わらしくてゴメンネ。今、きっと私の可愛さで皆許してくれたと思う。みんなカップラーメン何が好き?
イデッッッ