伝説尽くしの初開催
選手として劣等感を持ちながらも、事業家(大会プロデューサー)として、
”全国展開”
を考え始めた頃、チームTHE NORTH FACEの一員として奈良県と共に仕事をする機会に恵まれる。県は、南部での本格的なトレイルランニング大会開催を計画。これはチャンスと、担当者に、
”大会PRとトレイルランニング普及として奈良市内で初心者向けイベントをしてみてはどうか”
こうして、世界遺産奈良公園の若草山春日山を舞台とする
”トレイルランナーズカップ奈良”
が3月、産声を上げる。トレイルランナーズ初の県外イベント、記念すべきその参加者数は、なんと
”2名”
手続きや準備に手間取り告知期間が1か月弱だったとは言え、恥ずかしくて大っぴらに言えないが、恐らく日本一小さなトレイルランニングレースの記録だろう。
話には続きがあり、大会当日は春の嵐。突然、選抜高校野球が順延の為に、放送ネタを探していたNHK奈良放送から携帯に取材依頼の連絡が入る。
流石に参加者2名ではと、ボランティアスタッフが、出走を申し出てくれて、その日の夕方、無事、放送された。
この甲斐あってか、2回目の9月開催時(当時年2回3月と9月に開催していた)、今度は200名以上の申込。参加者数が100倍となった。
他にも伝説がある。奈良と同年、初開催だったのが、トレイルランナーズカップ静岡。場所は富士山こどもの国。
大会当日は
”台風直撃”
の中、続行。スタート後、丸太で作ったゲートが折れるほどの強風。その場に参加者ゼロだったのが不幸中の幸い。全員無事完走したものの、その後何年も、
”あれはヤバかった”
当時を知るスタッフは僕の顔を見る度、ネタのように語った。様々な出会いと幸運に恵まれ、全国展開がスタートした。




