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輝きの裏で
僕の絶望を尻目に、この年ハセツネの舞台で最高に輝いたのは山本健一選手だった。おんたけウルトラトレイル100㎞では、総合6位。僕の方が速かったのにも関わらず、だ。
フラッシュを浴び、みんなに囲まれ賞賛を受ける。眩しくみてられない程だった。
嫉妬しなかったなんて言ったら嘘になる。しかし、冷静に考えれば、僕よりもその可能性は秘めていた。前年のハセツネ、山本選手は総合6位入賞。僕は14位。
悔しかった。初めてのハセツネで抜きつ抜かれつした彼。翌年は僕の方が速かった彼。その彼が、僕の理想とする夢を、目の前で叶えていた。
近い存在だった彼が、遠い存在になった気がした。その後も、僕は多くの選手に先を越され、僕の夢を先に叶えられてしまう。その度に襲われる絶望感と焦燥感。
メンタルも自信もボッコボコ。ぺっしゃんこにされた。
もう絶望感に慣れるしかないのか。一人、行き場のない感情に襲われていた。




