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もう10年以上も前の事なんだ・・・と、過ぎ去る景色を横目に、ふと思った。
顔こそ、モヤがかかったようにしか、思い出せなくなってしまったが、彼と過ごした時間は走馬燈のように頭をよぎって行った。
小学校、中学校と、友達関係でそれなりに悩み、辛い思いをしてきた。いじめられたことも、いじめる立場になったこともあった。どっちの立場になっても、私の心を大きく傷つけていた。
今思えば、学校という、こんな小さな世界が、私の全てだったと言っても過言ではない。
家と学校を往復する毎日。
もううんざりだったのだ。
私の中に、地元の高校に進む選択肢は皆無だった。