表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
First Love  作者: HAL
1/2

1

真夏の蒸しかえるような暑さの中、汗を拭いながら7番ホームで電車を待っていた。


この大きな駅を、私はある程度の頻度で利用する。

普段はもっぱら車移動なのだが、電車も嫌いではなかった。


目まぐるしく変わる景色に、何度通っても新しい発見がある。その変化をぼーっと眺めながら見つけたりするのが好きなのだ。


ただ、この7番ホームから乗る電車は別だ。

いつも少し心がざわつく。


「まもなく電車がまいります・・・」


アナウンスが入り、やっとこの暑さから解放されるとホッとしたのも束の間、人で溢れんばかりの車内を見て、軽くため息をついた。


ごった返す車内からドアが開いた途端、人が溢れ出す。半数ほどの人が急ぎ足で車内から出たが、ホームからまた人が入り、またすぐに満員電車となった。


入り口付近に立ち、車窓からの景色をぼーっと眺めた。やっぱり心はざわついていた。



駅を出て直ぐに大きな公園が見える。公園を過ぎると大きな建物が次々に流れていくが、数分もすれば、景色がガラッと変わり、田んぼや畑が一面に広がった。


その見通しの良い景色のおかげで、意識していなくても、あの大きな無機質な四角い建物を、見逃すことはなかった。(意識しないように意識していた・・・が正しい表現かもしれない。)




「・・・もうボヤけた顔しか出てこないや。」




電車の騒音に掻き消されそうな声が無意識にこぼれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ