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地獄モードな異世界生活  作者: セーフ
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リンフォン編

この俺、東条功市とうじょうこういちは東証一部上場している飲食企業のキッチン社員だ。


高校時代を柔道に打ち込むあまり大学受験を絶望視した俺は、母親の親戚が住む中国の大学に語学留学した。


そこの大学を卒業して日本に戻ったのは良いが、最初に入社した会社が希望の仕事をさせてもらえない所で、自暴自棄になった俺は料理が作れるようになったら良いなと軽い動機でこの業界に飛び込んだ。


そして目の前にした現実は、最低1日12時間以上の勤務に加え残業しても残業代が出ないというものだった。


それも給料の中にみなし残業代が含まれているからであるのだけど、なにより辛いのが家から離れた店舗に配属が決まると、終電を逃して家に帰れなくなる事が度々ある事だった。


アルバイトの子たちが提出したシフトの内、埋まらないポジションがなくて営業が回せそうな日が休日になるため、休みも2週間に1日しか取れない時もある。


繁忙期の年末シーズンである今、店で10連泊して連勤した俺はついに訪れた休みをゆっくり過ごそうと思っていたところ、店長より権限の大きいSVである嶋崎さんから電話がかかって来ていた。



「おう東条、実はバイトの松村がインフルエンザで病欠になってな。

悪いけど今から出勤してくれへんか?」



という頼みを断れる訳もなく、休みが飛んでしまった。


日々のストレスから仕事終わりにお酒を飲み始めてしまった目の下には、クマがハッキリと浮かび上がっており、おまけに頭頂部が薄くなって来てしまっている。


不摂生な顔を洗って家を出た俺は、電車に乗って店に向かっていた。



「いっそのことインフル移して欲しいわ…でも出勤させられるんだろうなぁ」



店の最寄駅に着いた俺は、休みだったはずの時間の余韻を少しでも長く感じていたかったため、いつもと違う遠回りなルートで店に行くことにした。


長いため息を吐きが溢れる。トボトボと町並みを眺めていると、ある中古屋のショウウィンドウに並べられている玩具が視界に入った。


近づいてよく見てみると、正20面体の絵に何か動物が描かれているパズルのようなものが置いてある。


妙にそのオモチャに惹かれた俺は、年代物なのか2万円という大金を叩いて買ってしまっていた。



「熊と魚に・・・鷹の絵っぽいな・・・」



店に到着するまでにそのパズルを弄っていたら、カチッと音がして一面が完成した。上に掲げて眺めると、立体的な熊の絵が完成していた。



「へぇ・・・凄いな・・・」



年季が入った材質なのに立体的で繊細な造りだ。思わず見とれているといつの間にか目的地についていた。



「おはようございます」



あいさつをして玄関から

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