呪いは解けてないらしい
それは呪いです。他の人も言ってます
だから戦うのです
前回概要:性同一性障害者のやつが自殺を試みたが、なぜか生きていて、小学生幼
女になってしまった。
ふむ。
解せんな。
私、状況を分析するため、情報を収集せよ
まずは一番気になる所。
股間に手を
「ぬ」
あった。いつもの相棒(笑)が。
どうやら、性転換は神様が認めてくだされなかったらしい。
鏡に睨めっこしててもらちがあかないので、部屋に戻って制服に着替えた。
ちゃんと男物だった。当たり前か、それで気づくはずだったな。
カバンを開けてちょっと調査したら、どうやら小学生の四年生の教材だ。
さっき母上が四年生と言ってたな……
「おはよ」
「おはよう。じゃ行きましょうか。」
「ん」
階段を降りると、我が母上は既に準備万端なので、そのまま外にでる。
「らららん~~~」
母上は私の手を引いてご機嫌。
今、私達は私昔通ってた小学校に向かっている。
名前は忘れたが、この道だけは体が…もしくは心が覚えている。
ちなみに、母上はまったくご飯作れないので、高校で私が料理を覚えるま
で朝飯はコンビニと決まっている。
「らららららん~~~」
おっと、一応紹介しよう。
姫路香里、我が母上である。
なぜか母上と呼んでるのか、それは昔時代劇見すぎて癖が付いたからである。
今でもたまに自分のことわしと呼ぶが、流石にやめた。でも母上と父上は家で呼ぶ
分、さしあたって問題があるわけでもなく、そのままにしている。
「ん!!美味しい!!」
母上が奇声を上げて、顔が蕩ける
「やっぱり朝は肉まんよね!!凛!」
「ん」
一応言っておくが、母上は別に美人ではない。むしろかなりブスの類。
父上は男前なのにね。まぁ、それでも母上は母上なので、それでも一応家族として
いい方だと思っている。
「凛、今日はなんか変よ?いつもはニコニコして話題に乗ってくれるのに、どうし
たの?」
でも、ブスでも、母上は立派な人だ。
薄い記憶の中でも、仕事で忙しい父上と違って、自分もかなり忙しいのに、最後ま
で私を諦めなかった。
父上は正直家族として興味も持たないが、母上は認めてもいい。
「ん。眠い」
「そっか。お母さんも専業主婦でもやったほうがいいのかしら……なんか今の凛を
見てると心配になってきたわ」
「ムリ。ご飯作れない。」
「もう、目玉焼きくらいは作れるわよ!」
そういって頬をふくれる母上だが、正直可愛くない。
そもそも私は四年生ならもう40でしょう。いい加減乙女はやめなさい。
無言を貫く私を見てて、母上は何とも言えない気分になって、心配そうに
している。
だからといってなんだが、ちょっと私も面白くなくなって
「心配ない。帰ってからちゃんと話す。」
「え?うん。わかった。ちゃんと整理して、お母さんに教えてね?」
「ん」
まったく、大人しく能天気に笑っていればいいのに。
世話が……焼けるんだから。
授業のレベルは小学四年のものであり、既に高校卒業した私にとっては退
屈でしかない。
でも、サボる訳にはいかない。親に心配かけてしまう。
前世と母上には“サボりはしない”という約束もしているから、大人しくしている
。
ただ、授業を聞くのは意味ないので、その間自分の身に起きていることを整理して
いる。
約束には、授業をちゃんと聞くことが入っていないので。
そこで理解したことといえば
まず、私は生きている。そして小学四年だ。
まったく、自殺したらどっかのカードキャプターか?冗談ではない。
日付は八年前だから、2009年の四月三日。
周囲の同級生の顔はおぼろげに覚えている。変化はないだろう。
そこから一つの答えが導かれる。
私の時間は、巻き戻された。
18歳から、10歳に。
18歳の記憶をもっていること以外、なにも変わらない。
最初は飛び降りたのは夢かと考えたこともあるが、
それだと、記憶が鮮明でないにしても、知らないはずの8年分を覚えているのはおか
しい。
ならば、なぜ時間が巻き戻されたのか。
私はこう解釈した
神様のお怒りであると。
知っていると思うが、まともな宗教はほぼ全てが自殺を悪とする。
そして私は自殺した。その行為に、神様が怒ったのだ。
死んで、楽になってはならぬと
呪いを身に纏ったまま生き続け、足掻き続けよと
呪いは、解けてないらしい
割と私がヒロイン(?)のベースになってます。若干美人になったこと以外は