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Lost  作者: misonikom
1/1

1:Loneliness 孤独

書いたのも初

投稿したのも初

そんな作品です

読みにくいかもしれません。

1:Loneliness


少年の足取りは重かった。

背中に背負った靫は静かに揺れていた。

人の気配のなくなったこの町で、

悲しく鳴いている鳥の声が聞こえる。

かつて栄えていたこの町の風景は

変り果ててしまった。


行き場のなくなった少年は、

独り歩いていた。

その足取りは酷く重かった。

この世界の闇を語っているかのように

重かった。


一歩踏み出すごとに

失った景色が蘇ってくる。

その度に心が槍で突き刺されるような

痛みを覚えた。


悲しみとは何だろうか

独り問いかける。

この問いに答を出すのは誰だ

自分から答えが返ってくる。


「誰もいない」


声が聞こえたような気がした。

もちろん自分の声だが

終わりはいつか来るものだと、

知ってはいた。

知ってはいたが、こんなにもあっけないものだと、信じることすらできない

少年は独り町を歩いていた

独り町を...


もう何も失うものはないと

気づいたその時から、

生きている力を失った。

そしてまた少年は

新たなものを失ったことに気付く。


「なぜ、僕はここに立っているのだろう」



1:孤独



晴れた空の下、にぎやかな街は人々の営みで活気にあふれていた。

僕は一人で街を歩いていた

手に持ったかごには果物がたくさん入っていた。


「おーい!リアーン!」

そう僕を呼ぶ声が聞こえる。

僕は足取りを速め、声の主に近づいた。

かごの中の果物は大きく揺れた。

少し傷んだ。

「どうした?」

そう聞いた僕は彼の顔みて少しばかり察した。

彼の顔はニヤついていた。


「今からさ、あのおばさんのかごに入ってるさ、果物。ひったくってこようぜ!」


予想は当たっていた。

彼は一言で表せばやんちゃ。

この言葉がぴったりだ。

街でいたずらを繰り返しては、友達に自慢を繰り返している。

いったい何がしたいんだか。

僕は大きくため息をついた。

「またそんなことやってんの?怒られても知らないよ?」

「大丈夫だって、リアンお前も果物欲しいだろ?」

僕は自分のかごに一瞬目をやった。

「ちっ、お前果物持ってんじゃねーか。」

なんで僕が怒られるんだかよくわからないが

「あ、なんかごめん。」

彼は不愉快そうな目で僕を見ている。

だいたい間違っているのは彼のほうだ。

ひったくりなんかしたところで怒られて終わりだ。

どうせ自慢するならもっといいことをするべきだと思うのは僕だけだろうか。

いや、街の大人100人...1000人に聞こうがその通りだと答えるだろう。


彼は楽しみが奪われた幼児のような顔をして

「じゃあ、俺はもう帰る。今度は絶対やってやるからみてろよ!」

そう言い放った。

だから、なんで僕が悪い立場なのか。


「いやいや、もう二度とそんなくだらない事考えるなよ」


少し強めに言い放ってやった

彼は振り返らずにその場を去った。

僕の言葉は聞こえていたはずだ。

聞こえないふりをしているのか。

もしかしたら彼は耳が遠いのかもしれない。

いや、都合の悪いことは聞こえない非常に都合の良い耳の持ち主だろう

非常に便利な道具を持ってるやつがいるもんだな。

そう思った自分が一瞬いた。



あたりが暗くなってきた。

そういえば僕はおつかいを頼まれていたのであった。

どっかの誰かさんのせいで本来の目的を忘れていた。早く家に帰ろう。

僕は何もしてないのに親に怒られてしまう。

僕は急いで家へと向かった。

あと10分もあれば着くか。僕の足取りはまた速くなった。



レンガ造りの家が並ぶこの町、フレデクロンボーは、中央に城がそびえたつ、アーケルアンジェという国の首都、クレム・カザンの隣にある町だ。

首都に近い町であり、ほかに比べれば栄えているが、その割に雰囲気がのどかなのがこの町の特徴だ。


町としても広く、そのくせに人々のかかわりが深いのも特徴の一つだろうか。

少し変わった町だがそれもいいところなのだろう。

にぎやかな街道の少し奥にある住宅街の一軒が僕の家だ。

表札が少し斜めっているのがいい目印になっている。

この表札を取り付けた父にそれを言えば皮肉になるだろうが。


鍵を取り出して家の扉を開けようとしたところに母が帰ってきた。

「あら、今帰ってきたの?お帰り。」

少し険しいような顔つきだが理由がわからないこともない。

「ただいま」

少しばかり冷たい言い方だったかもしれないが聞き手によっては、何か反省しているようにも聞こえる。

「おつかい行ってたんでしょ?それにしてはずいぶん遅いわね。」

この言葉を言われるのはわかっていた。


なにせ14時に家をでて、おつかいして帰ってくるだけなら、かかって2時間だ。

それでも長いぐらいだ。

なのに僕は19時に家に帰ってきた。

言われても無理はない。

「いやぁ、あれだよ、あれ...その..」

母は疑うような目で

「また、友達に会って道草くってたんじゃないでしょうね。」

そう言った口は微笑んでいた。

「そ、そんなところかな」

そんなところでもどんなところでもそこんところでもなんでもない。

今回僕に非は全くないだろう。

あるほうがおかしい。

あってたまるか。


「あんたは相変わらずだねぇ、おつかいの時は遊ぶなっていつもいってるでしょ。」

そうですね、はい。

もう何度も言われています。

「ごめんなさい。」

「まぁ、いいわ子供のうちはたくさんあそんどきなさい。さぁご飯の支度しなくちゃ。」

いきなりそんなことを言われて少し驚く僕を置いて母は家の扉を開け中に入っていった。

「さあ、あんたも早く入りなさい。」

「はーい。」

僕は軽く返事をした。


家では父がまだ幼い赤子をあやしていた。

「お帰り、リアンもいるのか。」

父は今日仕事が休みだったため

赤子の世話を母と交代していたようだ。

そのため母も出かけていたのだろう。


キッチンに買ってきた果物の入っているかごを置き、ソファまで行って寝そべった。

「今日の夕飯は何?」

「シチューだよ、クリームシチュー。な?そうだよな。」

母に問いかけたはずなのだが...

なぜ知っていたのかもよくわからないが自信たっぷりに父が答えた。

「えぇ、そうよ。今日は野菜がたくさん入ったシチューよ。」

野菜と聞いて僕は少し顔をしかめた。

「野菜しか入ってないの?」

あきれた表情で母が答えた。

「もちろん、野菜だけ...じゃないわ、肉も入ってるわよ。」

ほっとした僕の表情をみてまた母があきれた顔で...今度は少し微笑みながら

「あんたのその野菜嫌いいい加減なおさないと、将来大変よ。」

「はーい、わかってるよ。」

僕は生れてからこの14年間このやり取りを100回以上はもうすでにやっている。

いや、もっとか。


「にしても今日も寒いわね。」

「なにを今になってそんなこと言うんだよ。

この地域は、ほぼ年中冬じゃないか。」

だいたいこの町は北にある町だし、国自体がほかに比べて北にあるというのに

だから寒いのなんか当たり前で、この国の家庭料理と言えばシチューくらいではないか。

だから今日もシチューなのだろう。

一昨日食べたばかりだ...が、飽きない。


「そういえばね、昨日お隣さんがリンゴの商いが今年は薄いって...」

パーフェクトタイミングだよ、お母さん。

そういいたくなったが、言っても変な目を向けられるだけなのでよしておこう。


そうこうしてくだらないことを考えていたら

夕飯ができたらしい。

「リアーン、ご飯できたわよ。」

お決まりのセリフを聞き、ダイニングテーブルへ足を運んだ。


父はすでに座っていて夕食を先にいただこうとしていた。

「お先に、いただき...」

「ません。」

僕がとっさに突っ込んだ。

これは人としてどうかと思う。

赤子をほったらかしにして、自分だけ先にいただこうなんて、そんなことさせてたまるか。

仮にそうなったとしても意地でも僕が先に食べてやる。


「まぁまぁリアン、いいじゃないか。」


「駄目だよ、みんな待ってあげないと。」


「そういうところはしっかりしてるんだな。リアンも。母さんによく似てるなぁ。ねぇ、母さん。」


そういうところってなんだよ。って突っ込みたくなったがよしておこう。


また母の顔があきれた顔になった。

今回は微笑んでるというよりも苦笑い...か。

母のあきれ顔は今日で三回目になる。

「そうかもしれませんね。あなたにそういうだらしないところが似なくてよかったわ。」


ごもっともなことを言われ、父も言い返せなくなったようだ。

「なんだ、なんだ?味方誰もいないのか。全くひどいなぁ、母さんもリアンも」

「今の父さんじゃランドンも相手してくれないんじゃない。」


ランドンとはさっきまで父があやしていた赤子の名前のことだ。

ちなみにランドンとは長い丘のことを意味するようだ。

両親が幸せが長い丘のようにどこまでも続いて、どこからでも見えるようにって、名前を付けたらしい。

なんかよくわからないがロマンチックだなと思った。


「ランドンは、今関係ないだろう。ほら、見てみろよ。くだらない争いはやめるでちゅって言ってるだろ。」

「やめるでちゅ...だって。」

そういいながら母はクスクス笑った。

「父さんさすがに、でちゅはないよ。」

僕もゲラゲラ笑った。

「くそぉ...どいつもこいつも揚げ足とりやがって...」

父の負けが確定したところでちょうど母の水仕事が終わったらしい。


「さてと、みんな揃ったし、そろそろ食べようか。」


「いただきます」


三人でそういって、各自夕飯のシチュー...僕が嫌がる野菜たっぷりシチュー(肉も少しは入ってるよ、鶏肉だよ。)を食べ始めた。


僕の家はシチューと一緒に食べる主菜はパンなのだが、ほかの家ではどうやら米を食べるところもあるらしい。

不思議だ。

僕は家族と、会話を多少楽しみながら夕飯を平らげた。


夕食後僕は自分の部屋へと行き、作りかけの船の模型を完成させる作業に取り掛かった。

僕の町の子供たちの間では自分で木材を買って模型を作るのが流行っていった。

0から作るので完成度は作者に左右される。

手先が器用なやつは、本物そっくりに作るし

逆に不器用なやつは、何が何だかわからないものを作る。

作ったものを友達同士で見せ合いああだこうだいうのが、僕たちの遊び、

それが楽しいのだ。


しばらくして、父が僕の部屋の外から

「そろそろ、寝ろよ。明日学校はないけど健康には影響するからな。元気に模型を作りたいならもう寝ろよ。」

時刻はもう22時を過ぎていた。

流石にやりすぎたなと思いつつ

「はーい。」

といって、僕はかたずけをはじめ、トイレや歯磨きを済ませ、ベッドに入った。





翌朝


僕は目を覚まし自室からでてリビングへと向かった。


「おはよう。」

僕は朝の挨拶を軽く済ませてソファに腰を掛けた。

母は朝食の支度をしていて、父は今朝発行された新聞を読んでいた。

ランドンは...まだスヤスヤ寝ている。


僕は朝食ができるのを待ちながらソファでゴロゴロしていると、

いつものように新聞を眺めていた父の様子が途端におかしくなった。


「父さん、どしたの?」

父に問いかけてみた。




返事がない。




「父さん、どうしたの!」

強く問いかける。



それでも父は、コーヒーカップに口につけたまま一向に動こうとしない。



僕は父が読んでいた新聞の記事を横から覗き込んだ。


「見るな!!」

鬼のような剣幕で父が叫んだ。

その拍子に父の持っていたコーヒーカップから、コーヒーがこぼれ落ちた。


父の反応速度は驚異的であり、

詳しい内容はほとんど読むことができなかった。

ただ、新聞の見出しには大きく






-ホルフィテ・ルブルク軍の襲撃!-





そう書いてあった。


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