表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の恋愛事情  作者: 水無月静琉
13/14

13.補習イベント?

 ゴールデンウィークはあっという間に終わってしまいました。


 基本的に兄様と和登くんと一緒に過ごす割合が多かったです。

 ……いつもの事ですけどね。

 嫌ではないんです。

 むしろ居心地が良いですので、兄様達と過ごす時間は大好きです。

 だけど、このままではいけませんよね。

 兄様達だってわたしとばかり過ごしていては、意中の相手とデートも出来なくなってしまうんですから。

 あら……、というか今まで、休日などはわたしと過ごしていて、デートもほとんどしていないんじゃないですかっ!?

 兄様も和登くんもイケメンでモテモテなのに、デートに行ったという話しは聞いた事がありませんよぉ!


 わたしももう少し、お友達つき合いというものをしなくてはね!


◇ ◇ ◇


 ゴールデンウィーク明けの学校。

 お昼休みを美弥ちゃんと過ごしていると、西門くんか話しかけてきました。


「南波さん」

「はい。西門くん、どうなさいました?」

「えっと、今月末にある親睦会の事なんだけど……」


 ああ、はい。あれですね。

 親睦会とは、星篠学園高等部で毎年5月の下旬に行われている恒例の行事の事です。

 星篠学園で所有する森林公園でスタンプラリー兼ハイキングをするんです。


「なにか不明な点でもございましたか?」


 この催しは初等部から星篠学園に通っているわたし達だったら誰でも知っている行事ですが、外部生である西門くんは馴染みがありませんものね。


「先生から午後のHRで班決めをしてくれと言われたんだけど、副委員長の星篠さんがいないので手伝ってもらえないだろうか……」


 あら?


「……えっと、星篠さんは今日、確かいらしていましたよね? ねぇ、美弥ちゃん」

「いたいた。今日は妙に大人しかったけどね」

「中央先生がHRの時間を使って、別室で星篠さんの補習をするって……」

「「……」」


 登校していたはずの星篠さんの存在を確認すると、西門くんから予想外の答えが返ってきました。

 思わずわたしも美弥ちゃんも黙り込んでしまいました。

 ………もしかしなくても、テストの結果が悪かったからですね。

 あらあら? それは二人っきりでする個別指導ですか?

 それはもしかしなくても、ヒロインが中央先生を攻略するためのイベントですかっ!?

 そんなイベントがあるとは知りませんでしたが、きっとそうですわよね?

 まあ、大変っ! それは応援しないと!

 教師と生徒の禁断愛?

 問題ありません! 兄様と和登くんの攻略から外れてくれるなら、私は一向に構いませんわ!


「HRを使って補習って……」


 美弥ちゃんが呆れたような声を出しています。


「ここだけの話しだけど。この前の学力テスト、1年で彼女だけが赤点だったらしいんだ。中央先生が職員室で嘆いるのを聞いた」

「「……」」


 西門くんからの情報に、わたしと美弥ちゃんは再び沈黙……。

 50位以内に入っていなかっただけではなく、赤点……。

 赤点ってあれですよね? 確か100点満点のテストで30点以下。

 はっきり言って、この前のテストで赤点という成績は非常に拙いと思います。

 だって、以前にも話題に触れたと思いますが、中学時代に教わった範囲がテストの内容だったのですもの。

 まあ、個人の補習を授業中にするのは確かに頂けませんけど、逆を言えば放課後の補習とかでは時間が足りないということなのでしょう。

 ……先生、お疲れさまです。


「そういう事でしたら、勿論お手伝いいたしますわ」


 ヒロインと中央先生が何の憂いもなく補習できるように、全力でフォローさせて頂きますわ!

 という訳で、先生が不在のままHRが始まり、わたしは西門くんと協力して親睦会の班決めをしました。

 班は5名で組み、全部で6つの班を組むことになります。

 わたしは美弥ちゃんと須田くん、瀬戸くん、それに西門くんと班を組むことになりました。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ