喧嘩
次の日。
「優衣ちゃん」
私の目の前に拓君が現れた。
「た・・・拓君!?・・・おはよ」
「びっくりした?」
「うん!心臓止まるかと思ったよ!!」
拓君は子供みたいな笑顔でケラケラと笑う。
もー・・・。
私はほっぺをぷうっと膨らませる。
「なぁ・・・。言いたいことがあるんだけど・・・」
「ん?なぁに?」
「あのな・・・。実は俺・・・」「優衣−!!」
拓君の言葉をさえぎり、和の私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
和はにこにこと笑っている。
「どうしたの?和」
「空手の大会で優勝したんだ!!」
「えぇ?!ホントぉ!!」
和は空手道場に通っている。
黒帯だ。結構うまい。
「ああ♪・・・ってなんで宮田といるんだ?」
「オス。奈良井」
「あ・・・ああ」
・・・ぎこちない空気。
この空気は重すぎる。
「ねッねぇ!遅刻するよ?」
「あ。ホントだ!それじゃね、優衣ちゃん」
「うん」
拓君は手を振りながら学校に向って走って行った。
私と和は並んで歩いた。
「優衣。結構仲いいんだな。宮田と」
「た・・・ただ話してるだけだよッ!」
「ほんとに〜?」
和はニターッと私を見る。
「・・・本当よ!和のばか!!」
私は学校に向って走った。
なによなによなによ!
私が拓君のこと好きなわけないじゃない!!
私が好きなのは!
スキなのは・・・。
私は顔を赤らめる。
もう!!
どうして和の顔と名前が出てくるのよ!?
どうして・・・?
もう!!
分かんないよ〜。
私は放課後になるまで和と一言も話さなかった。
帰り。
私はとぼとぼと歩いていた。
「優衣!!」
私は和にいきなり肩をつかまれた。
「・・・なによ」
「・・・悪かった!!!!!」
和は頭を下げて謝った。
私は目をまるくする。
「朝はゴメン・・・。まだ・・・怒ってるか?」
和・・・。
「ううん!もういいよ。私もごめんね」
私達は並んで歩いた。
私は和を許した。
だって!
和とずっと話したかったんだもん!!
私達は家に着いた。
「じゃぁな」
「あ!和晩ご飯食べてってよ」
「え。いいのか?」
「もちろん♪」
私達は家に入った。
「ただいま〜」
「おかえり。優衣ちゃん♪」
「え・・・。なんで・・・」
リビングでお茶を飲んでいた人。
・・・それは。
「拓君がいるの・・・?」




