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この当てもない世界は不思議と心地がよかった。


それは、現実離れしたこの世界観がそうさせるのか。


それは、彼女が纏うペールイエローの雰囲気なのか。


それは、一体なんなのか僕にはわからない。















「どこまで歩くんだい?」


先ほどから前を行く彼女の背に問いかける。


「ここは、どこもかしこも真っ白だね。」


彼女は、ようやく振り向き答える。


「真っ白ではないわ。それは、アナタの先入観でしょう。」


答えた彼女の言葉に、僕はあたりを見渡す。


「そうかなぁ。僕には真っ白に見えるょ。君には他の色に見えるのかい?」


彼女はまた微笑みながら


「色とりどりじゃない。」


そう一言答え、また前を向き歩みを進めた。










「もうすぐ着くわ。」


また、しばらく歩いた後彼女は唐突に言った。


ひたすらマーガレットの絨毯を歩き、草原の中に入り始めた頃に彼女は脚を止めた。

見たこともない程の大きな百合の花がいくつも咲きほこり驚く僕の隣で、また一輪花開いた。


「これは」


開いた花を覗き込むと中には小さな赤ん坊。

他の花の中にも皆同じように生まれたての赤ん坊の姿が眠っていた。


「この子たちは、どうしてここに?親は?」


僕は彼女に問いかける。


「今はまだ親などいないわ。」


「親がいないって、そしたらこの子達は生きてはいけないよ。」


焦るように言った僕に彼女は花を指差し言う。


「この花は二輪、同じ種から咲くの。それぞれに1人の赤ん坊を抱え。彼らはこれから2人で一緒に育つの。」


「でも、赤ん坊の力だけじゃ育てないよ。」


彼女は僕の目を見て


「大丈夫。」


それから、また背を向け歩き出す。


「そろそろ、次の所へ行きましょう。」


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