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プロローグ
ある日、僕は目を覚ました。
真っ白な空。
真っ白な大地。
真っ白な空気。
真っ白な僕。
そして、僕は目を閉じた。
僕は、都会でも田舎でもない街に生まれ育ち、ただごく普通の家庭でごく普通の人間として生きていた。
学校は楽しくもなく、つまらなくもなく、平凡そのもの。無駄に哲学的な話をする数学科の先生に、情熱的に教えを説く現国。眠くなる社会科。
昼休みは誰と誰が付き合った、別れた。などの学生ならではの話に盛り上がり、退屈な授業再開。
放課後は部活動に勤しむ生徒にバイトに出かける子。
それらを横目に今日も1日を終えた。はずだった。
長い夢を見た。
もう一度目を覚ました。目の前に広がるのは空虚な世界。真っ白な世界。